FC2ブログ
2015/01
≪12  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31   02≫
ファミリアマスターが征く!(228)       この世のものとは思えないほどに
ファミリアマスターが征く! -目次-

ファミリアマスターとは?
↑初めての人は読んでね♪

前回:ファミリアマスターが征く!(227)
    -天国の光-



正体不明の女
 とても暖かそうに見えるのに、どこか冷たそうな白い光の中、その光に背を向けて立つ女の人が一人。
 彼女は光に背を向けていて、だから彼女の顔には影が差していて、儚く淡い光に作り出された影は、その光と同じように淡くて儚くて、澄んでいて、それでいてとてもとても深いものでした。
 深い深い、けれどよく澄んでいる影。
 その影はとても澄んでいて、だからその女の人の半分包帯に覆われた顔も良く見えて、その顔に湛えられた表情も良く見えたけれど、なのにその影は何故かとても深いものだと、私は感じたのでした。
 決して届かない存在。
 私と彼女の間にある、見えないけれど決して越えることの出来ない壁。
 何故だか影は、そんなものの象徴のように見えて、だから私はその透き通るような影を深いものだと感じたのでした。

寒い・・・
 そんな形容しがたい光の中に、形容しがたい影を湛えた女の人は、どうしてかとても美しく見えました。
 とても綺麗で、狂おしいまでに魅力的な人。
 彼女は点滴台を手に、入院する人の着るあの白くて清潔感のある、けれどとても地味で映えない寝巻きを着ていましたが、その寝巻きすら風変わりなドレスか何かに見えてきてしまうほどの何かが、この人にはありました。
 百歩譲って、この人が女性だと言うことを置いておいても、一目で恋に堕ちるとか、そういう類のものを超越して。
 もっと深い何かに突き落されるような、ううん、手を引かれて深いところに引きずり込まれ堕ちていってしまうような、そんな何かを、彼女は持っていました。
 そんななんとも説明しがたい感覚を、何かを、私はこの人の美しさがそう感じさせているのだと思いました。
 けれど、私は今までにも美しい人はたくさん見てきましたが、今までにこんな感覚に陥ったことはなく、ましてヘレナ様や妖精のアルウェンさんだってこの人に劣らず美しかったのに、私は彼女達の前ではこの感覚を味わうことはありませんでした。そしてあの怪盗ファントムを前にした時にすら、こんな感覚には陥らなかったのに。
 そして、そんな彼女をまるで放心したかのように、食い入るように見つめていた私は、彼女がとても寒がっていることに気が付きました。
「ここは寒すぎるわ・・・。」
 あの、壁一面から聞こえてきた、この病院の清潔感と寒々しさをそのまま声にしたかのような、あの声で。
 彼女は、どこへともなく、誰へともなく、訴えていたのでした。
 それを聞いた私は、はっと我に返ります。
 我に返って、ぼうっと彼女を見つめ続けていたことを恥ずかしく思い、寒がる彼女を案じて、そして最後に、ここは確かに肌寒いけれど、そこまで寒がるほどでもないぞと、微かに疑念を感じました。

おいで先生って言うんだw
「あの・・・、そんなに寒いんですか?」
 どうしてこんなに寒いんだろうと、寒がりながらも不思議がるこの女性に、私は尋ねて見ました。
 しかし女性はそんな私にまるで気付いていないかのように、けれど明らかに気付いている文脈で、まるで悲しい歌でも歌うかのように、言葉を続けました。
「ああ・・・、息苦しい・・・。」
 寒いだけでなく、息苦しいとまで言うこの人。
 点滴に入院用の寝巻きという姿から見て、明らかに患者さんの彼女は、やはりどこか悪くて、だから寒くて苦しいとかんじているのでしょうか?
「あの・・・、先生はどこですか?」
 そんな彼女は、その歌うような調子で続けます。
「今日はこの包帯を外す日なのに・・・」
 この人気の全くない病院で、彼女はお医者の先生を探しているようでした。
 この人気のなさは、一朝一夕のものではありません。不思議なことに清潔感はとても高い水準で保たれていますが、ここには長いこと誰も人が訪れていないということは明らかでした。
 そしてそんなことを思った私は、不思議に思いました。
 この人気のなさは、一朝一夕のものではない。
 ずっと人が訪れていないという、「無い」という気配が、ここには満ちている。
 けれど、この女の人はどうやらずっとここに居たらしい。彼女はどう見ても入院患者です。
 なら、この「無い」という気配は、一体何?
「手術が成功したかどうか、早く確認したいのに・・・。」
 女の人は続けます。
 悲しい歌を、歌い続けるように。
 その調子に、そして今しがた気付いた自分の思考に、私の背中にはふと冷たい何かが走りました。
 けれど、そんなことにはお構い無しに、この世のものとは思えないほどの美しさを湛えた女性は、歌い続けます。

正体不明の女の頼み
「私の頼みを、聞いてくださいませんか?」
 淡い光に、澄んだ影に、溶けていくようなその声で。
スポンサーサイト
 
魔王城へようこそ! サンプル(2)
昨日に引き続き、「魔王城へようこそ!」のサンプルです。

この記事は、諸事情で帰宅が遅れ、31日の午前2時半の更新となりました。
一応、寝る前には更新できましたが、更新が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。



「私はもう済ませましたので、ここで待っていますね。」
 フレデリカは朝ご飯を食べる大広間の扉の前で立ち止まり、言った。
 フレデリカはいつも、わらわを起こしに来る前に朝ご飯を済ませてしまっていて、ここまではわらわと一緒に来るのに、この先をわらわと一緒に歩いたことはない。前に、
「見てるだけでいいから、一緒に来て?」
 と言ってみたけれど、フレデリカはなんだか困ったようにはにかんで、
「見ていたら、食べたくなっちゃいます。」
 と言ったわ。
「そしたら、食べればいいじゃない。」
「あはは、二回も朝ご飯を食べたら太っちゃいます。」
 なるほど、それは大問題ね。
 フレデリカはレディだもの。体重も気になるわよね。
 だからわらわはそれで納得して、それからフレデリカを朝ご飯に誘ったことはないわ。だけど待っている間も退屈だろうから、
「待ってなくてもいいわよ?わらわ、お部屋にくらい自分で帰られるんだから。」
「ふふ、平気ですよ。私は魔王さまを待っているだけで楽しいんです。それに・・・、」
「それに?」
「ここで魔王さまを待って立っていたら、運動になりそうじゃないですか。」
 わらわは立っているだけじゃ運動にならないんじゃないかと思ったけれど、フレデリカが良いならそれで良いのかなと思って、それ以上は何も言わなかったわ。
 そういうわけだから、今日もフレデリカにここで待ってもらって、わらわは朝ご飯を食べに大広間へと入っていく。
 大広間は名前の通りにとても広くて、そして廊下にあったロウソクよりも大きな、そしてたくさんのロウソクの灯に照らされて、柔らかな光の空間を作り出している。
 ご飯を食べるのにぴったりな、柔らかいロウソクの火に包まれた大広間。
 そんな大広間にはたくさんの、それはそれは長いテーブルが並べられていて、そのテーブルにはまばらに、しかしそれなりにたくさんの人が座っていて、賑わいをみせている。
 長テーブルに座っているのは、みんなこのお城で働く従者。
 わらわは従者が何かよく分からないけれど、どうやらわらわやお父様のために働いてくれる人たちらしかった。お洗濯をしたり、お掃除をしたり、悪者がお城に入ってこないか見回りをしたり、それからこの朝ご飯も、ご飯を作る係りの従者が作ったらしいわ。わらわは初めはそれが何となく疑問で、具体的にはわらわやお父様のために働いてくれているというところが疑問で、なんでみんなわらわたちのために働いてくれるのかフレデリカに聞いてみると、
「みんな魔王さまのことが大好きだからですよ。」
 と、いつもの答えが返ってきた。
 けれどわらわはその答えじゃ納得できなくて、だって、お掃除とかお洗濯とか大変でしょ?納得できない気持ちが顔に出たのか、わらわの顔を見たフレデリカは説明を付け加えてくれた。
「もちろん、魔王さまたちのお世話だけじゃなくて、従者の方々はそれぞれのお世話もしていますよ。洗濯係は魔王さまたちの洗濯物だけじゃなくて自分たちの洗濯物やご飯係の洗濯物もしますし、ご飯係だって魔王さまたちのご飯を作りながら自分たちと洗濯係のご飯を作ります。みんながそれぞれの仕事を持っていて、役割分担をしているんです。」
 へぇ、そうなのねぇ。とわらわが感心していると、その様子を見たフレデリカはさらに言った。
「そうやって役割分担をするから、便利に、楽しく暮らせるんです。誰も何も仕事をしなかったら、今頃このお城は滅茶苦茶で、きっと人が暮らせるような場所じゃなくなっていますよ。」
 ふーん、そうなのね。確かにこのお城は広いから、一人でお掃除しようとしたって無理だものね。それにこの広いお城のお掃除が終わるころにはきっと日が暮れてしまって、それじゃあご飯はいつ作るの?ってなっちゃうものね。だから、係を決めてみんなでお仕事をしているのね。
 わらわがそんな風に、フレデリカに教えてもらったことを、今度は自分の言葉でフレデリカに話してみると、
「さすが魔王さまです。賢いです!」
 と、フレデリカは頭を撫でながら褒めてくれたわ。
 ふふ、わらわ賢いだって。エッヘン!
 そんな、役割分担をしている従者たちは、大体がそれぞれの係に分かれて纏まって、楽しげにお喋りしながらご飯を食べているわ。
 洗濯係はあのテーブル。お掃除係はこのテーブル。その他の係たちもそれぞれ纏まって同じテーブルについている。仲の良い係同士で近いテーブルに座ったり、時々自分の係のテーブルを離れて、他の係のところへ遊びに行く人もいる。そういう人は大体が元気な、どうやら人気者みたいで、遊びに行った先のテーブルで賑やかに歓迎されている。
 ただ、ご飯係だけはここに居ない。
 このご飯だってご飯係が作ってくれたもので、ご飯係はこれからも続々とやってくる従者たちのために、もっともっとご飯を作らなきゃいけない。だから、ご飯係のご飯は、他のみんなより遅めで、みんなとは別に食べるらしい。
 わらわはその大広間の中を廊下の時みたいに、みんなのみんなの挨拶に囲まれながらゆっくりと歩く。みんな笑顔でおはようを言ってくれるから、わらわも目いっぱいの笑顔でおはようを返す。
 そんな風に、挨拶をしながらゆっくりと歩くわらわは、やがてお目当てのテーブルへと辿り着く。
「あっ、魔王さま!」
「魔王さま、おはよー!」
「魔王さま今日も可愛いですねー。」
 ひときわ賑やかな、そのテーブル。
 他の係のみんなよりも、どこか砕けた感じの、このテーブルのみんな。
 ここは、夜の見回りをしてくれる係のテーブル。廊下にあった、夜の見回り係のためでもあるあのロウソクは、ここのみんなのためのものらしい。
 夜の見回り係はその名の通り、みんなが眠っている夜の間に、お城に悪者や泥棒が忍び込んだりしないか見回る係。お城のみんなが、そしてわらわが、安心して眠れるのは、このテーブルでご飯の真っ最中のこの人たちのおかげらしかった。
 そんな夜の見回り係は、みんな物凄く強いらしい。
 それはそうよね。見回りをして悪者と出くわしても、強くなかったら捕まえたり追い払うどころか返り討ちにされちゃうもの。だから見回り係はみんな強い人たちなのだけれど、そんな見回り係の中でも夜の見回り係は本当に強いらしくて、格闘の達人に、剣や槍なんかの武器の扱いのベテランに、凄腕の魔法使いだっているらしいわ。らしいって言うのは、わらわは実際に彼らの戦うところを見たことがないからなのと、彼らと話していてもそういう感じが全くしないからよ。しかも誰が格闘の達人で、誰が凄腕魔法使いか聞いてみてもみんな教えてくれないから、わらわは誰がどう強いのかもわからない。能ある鷹は爪隠すってやつね。
 そんなみんなは、とっても気さく。
 すごく強い、戦いのベテランなんて聞くと、なんだか体格の良くて気難しいのを想像しちゃうけれど、ここのみんなはそんなこと全然なくて、とっても気さくで、他の従者のみんなよりも、なんだか砕けた感じでわらわとも付き合ってくれるの。他の従者のみんなはなんだか丁寧すぎるのよね。それはもう人によってはよそよそしく感じるくらい丁寧で、昔なんて、わらわ嫌われてるんじゃないかって本気で悩んでたんだから。
 だからわらわは、朝ご飯はここのみんなと一緒に食べるのが習慣なの。たまに他の係のテーブルにも行くけれど、大体がこのテーブルよ。
「魔王さま、何食べます?ライスに、パスタに、パンにシリアル。なんでもござれですよ!」
「しかもパンは種類がいっぱいで、ナンやベーグルだってあります!」
「今日はパンの日なんですねー。いつもはこんなに種類ないのに。」
「魔王さまパン好きだもんね。よかったじゃないですか。」
 みんなの言う通り、今日はいつもよりもたくさんの種類のパンが、テーブルの上で選り取り見取りに並んでいる。丸くて、ツヤツヤの皮をしたいかにも朝ご飯といった感じのバターロール。丸みを帯びた綺麗な四角に切られた、硬い耳に真っ白でふわふわの生地が守られた食パン。ドーナツみたいに円い円いベーグルは、見ているだけで楽しくなる。それにモチモチのナン!
「うーん、これだけあると迷っちゃうわ・・・。」
 わらわはそんな選り取り見取りのパンを前にして、すごくすごく、迷ってしまう。わらわはまだ小さいから、そんなにたくさん食べられないの。だから、ここは慎重に選ばなくっちゃいけないわ。
「うわぁ、迷ってる魔王さま可愛いなぁ。」
「お前さっきからそればっかりな。」
 さっきからわらわを可愛い可愛いと言うのは、見回りメイドのお姉さん。彼女は子供が好きらしくて、その中でもわらわは特別らしい。可愛い可愛い言われるのは嬉しいけれど、もう、子供扱いしてくれちゃって!いえ、わらわ子供なのだけれどね?でも、子供なのと、子供扱いなのは、違うわよね?
「よし、決めたわ。」
 わらわは意を決して、一つのパンを手に取る。
「まずはこの、しっとりベーグルよ。」
「キャー!魔王さま、ベーグルの穴覗き込んでみてっ!」
「そろそろ黙れよ・・・。」
 メイドのお姉さんと、行き過ぎて訳の分からないことを言い出したお姉さんにツッコミを入れるお兄さんのやり取りも、いつも通り。
「魔王さま、覗き込まなくていいからね?こんなの無視していいからね?さぁ、しっとりモチモチベーグルも、早く魔王さまに食べてほしいって言っているぞ!」
 捲し立てるお兄さん。
 そこでわらわは、ふと疑問に思った。しばらく前から、時々頭をもたげる疑問が、ふと浮かび上がった。わらわはその疑問について考えながらベーグルを味わい、そのしっとりとした食感を楽しみ、全部食べ切ったところでお兄さんに疑問について訊ねてみた。
「ねぇ、エヴァン。」
 あ、エヴァンって言うのはお兄さんの名前ね。ちなみに可愛い可愛いのお姉さんはルーシアね。
「みんなわらわのことを魔王さまって呼ぶわ。」
「はい?そりゃ、そうですよ。魔王さまは魔王さまですもん。」
「じゃあ、魔王さまって、なに?」
 少しぽかんとするエヴァン。
 これがわらわの疑問だった。
 わらわは生まれた時から、もちろん生まれた時のことなんか覚えていないけれど、それでも話に聞いて知っているし、そして何より物心ついた時から「魔王さま」だった。
 みんなわらわのことを魔王さまって呼ぶし、そのせいなのか、はたまた他の何かがあるのか、わらわも自分のことを「魔王さまなんだな」って思ってるわ。
 だけど、魔王さまって、いったいなに?
エヴァンやルーシアに見回りの役割があって、洗濯係には洗濯係の、お掃除係にはお掃除係の役割があるように、魔王さまの役割ってなに?
「みんなわらわのことを、魔王さまって呼ぶわ。」
 エヴァンは相変わらずぽかんとしたままだったので、わらわはわらわの疑問を詳しく説明する。
「でも、わらわは魔王さまが何なのか知らないわ。何もしていないのに生まれた時から魔王さまって呼ばれていたし、だからわらわもわらわは魔王さまなんだって思っていたけれど・・・、」
 わらわの疑問は確かにわらわの中にあるのに、それを口にしようとすると意外と難しくて、わらわの言葉は尻すぼみになる。
「でも、わらわは魔王さまが何なのか知らないの。エヴァンは知ってる?」
 わらわは尻すぼみになりかけていた言葉を無理やりに、わらわの疑問の一番根っこの部分に結び付けて、聞いたわ。
「うーん。魔王さま、かぁ・・・。」
 そんなわらわの曖昧な質問に、しかしエヴァンは子供の質問と適当に受け流すこともせず、うーんと唸り、わらわと一緒に悩んでくれた。
「魔王さまかぁ・・・。うーん・・・。」
 悩んでくれているけれど、答えはまだ出ないみたい。この疑問は、お兄さんのエヴァンにも難しいものだったのかしら。
「魔界の、王様じゃないんですか?」
やがてエヴァンは、ゆっくりと、考えながら言った。
「うん、魔界の王様。しっくりくる。」
 ゆっくりと言った後で、その答えに納得したようにエヴァンは繰り返した。
「私もしっくりくるかも。魔王さま王冠かぶる?作ってあげるよ?」
「だからお前は。魔王さまが悩んでるのに茶化すなよ。」
 ルーシアもそれに乗ってくる。
「えー、茶化してないよぅ。だって王様って言ったら王冠でしょ?」
「・・・まぁいいわ。うん、お前はそれでいいよ。」
 魔界の王様。
 確かに響きはしっくりくるわね。だって魔王さまだもの。「魔」界の「王さま」で、「魔王さま」。うん。
 でも、わらわは王様じゃないし、王様になるようなこともしていないわ。それに、
「でも、魔界の王様はお父様でしょ?」
 そう、魔界の王様はお父様なのだ。
 お父様は大魔王と呼ばれていて、大魔王のお父様はその名の通りにこの魔界と魔族を治めている。魔族と言うのはわらわやエヴァンみたいな人のことで、魔界に住んでいる人は大体魔族よ。もちろん、可愛い可愛いのルーシアも魔族よ。
 魔界に住んでいる人は大体魔族って言うのは、魔族じゃない人も住んでいるから。魔族じゃない人たちは、人間って言うらしいわ。深い森の奥とか、険しい山の頂とか、ジメジメした底なし沼の広がる湿地のど真ん中なんかには、その人間っていう人が住んでいるらしいわ。人間たちは本当は人間の世界に住んでいるらしいのだけれど、魔界のそういう沼とか、森とかには、はぐれものみたいな人間が、小屋なんかを立てて一人で暮らしているらしいの
 その人間って言うのは、わらわやエヴァンみたいな魔族と姿はよく似ているけれど、魔族には付いているツノや、それからこれはわらわにも付いていないけれど羽なんかも、人間には付いていないらしわ。それから人間はみんな魔法がとっても上手で、変な場所に住んでいることから想像できる通りに、ほとんどが偏屈な性格をしているらしいわ。わらわはまだ人間を見たことがなくって、見てみたいって言っても、「危ないから駄目です。」って止められるのだけど、いつかはこの目で見てやるんだから。
 でも、今は人間じゃなくて、魔王さまよ。
 今しているのは、魔王さまの話。
「そうですねぇ、魔界の王様は大魔王様ですよねぇ。」
「私大魔王様も好きだよ?だって渋くてかっこいいじゃん。」
「そうなると、魔王さまって何なんでしょうね。いったい。」
 エヴァンはついにルーシアを無視する。そして、疑問はまた振出しに戻る。
 時期大魔王、つまり王女さま。
 大魔王の娘に与えられる何かしらの肩書き。
 果てはニックネーム。
 色々なアイデアが出たけれど、結局どれもしっくりこなかった。魔王さまって一体何なのか。
 エヴァンはわらわと一緒になって真剣に考えてくれたけれど、答えは出なかったわ。たくさん考えて相談して、まだベーグル一個しか食べていなかったわらわはなんだかお腹が空いてきて、
「魔王さま、このカボチャすごくおいしいですよ!ホクホクです。大当たりですっ。」
 と、いつの間にか話し合いから抜けて朝ご飯の続きを楽しんでいたルーシアの、カボチャを勧める声によって、わらわたちの話し合いは中断させられた。


いかがでしたでしょうか?
この後手直しを加えますが、とりあえずはこんな感じのお話です。
それでは、お読みいただきありがとうございました!(*゚ー^)ノ
 
魔王城へようこそ! お詫び
こんばんは、しらゆきさんです。

今日は、まず、お詫びがあります。
新年の抱負で書いた、魔王しらゆきの子供の頃の話、「魔王城へようこそ!」ですが・・・。
二月一日にダウンロード販売で発売!と言いましたが、
申し訳ありません。
間に合わなさそうです。

ババっと書いて、ギリギリ間に合わせようとあがきもしましたが、どうにも、それではお見せできるようなものに仕上がりませんでした。
私なりに大事にしてる書き方等もありますし、それに則した、例え拙くとも自分でも頷けるようなものを出したいとも、切に思います。

ですので、発売日を延期させてください。

残す所、お話の最後に起こるイベントを書ききって、見直しをして、仕上げをすれば完成ですので、そう長くはかからないと思います。
出来るだけ早めに、けれど丁寧に、書き上げたいと思いますので、もし読みたいと思っていただけるのならば、楽しみにしていただけると幸いです。

お話の序盤を、サンプルとしてこちらに載せておきますので、ぜひ読んでみて下さい。
それでは、これからも「しらゆきさんが征く?」をよろしくお願いします!
 
魔王城へようこそ! サンプル(1)
 近日発売予定!
 の、魔王しらゆきの子供の頃のお話、
「魔王城へようこそ!」
 のサンプルです。
 一通りの完成後に大幅に見直しをして手直しも加えると思うので、これで完成形ではありませんが、ひとまずのサンプルとして、幼い魔王さまのお話を、お楽しみいただければ幸いです。


 薄暗い部屋の中、そんな中にも差し込むわずかな光を逃さず捕まえて、黄金の王冠は自分自身と、自分を飾るまばゆいばかりに散りばめられた宝石で、しっかりと捕まえたわずかな光をキラキラと反射させている。宝石から反射した光は、それ自体もまた白い宝石のように、真珠のように、薄暗い部屋の中を楽しげに泳いでいる。まるで宝石から宝石が生まれたみたい。
 薄暗い部屋の中、大きな大きなアメジストは、その深い深い紫色で、王冠とは反対に部屋の中の暗闇を捕まえて、その透き通る紫の中に気の遠くなるような深淵を湛えている。
 薄暗い部屋の中、弱々しく燃える蝋燭の火と、その隣に置かれた真っ赤なルビー。なんだか元気の無い蝋燭の火は、まるで頭を垂れているかのように弱々しく燃えていて、けれどそれでいてとても赤々としていて、そんな赤い光を受けて、蝋燭の隣にある真っ赤なルビーは、隣に置かれた本物の火以上に、まるで火のように赤く赤く、激しく燃えて輝いていた。
 薄暗い部屋の、扉が、キィと音を立てながらゆっくりと開く。
 薄暗い部屋に、徐々に差し込む強い光。ここはもう、薄暗い部屋ではない。
 明るくなったこの部屋の出口に立つ、背に真っ白な光を受ける黒い影。光と影の、白と黒の、強いコントラストが、心の中の不安を揺さぶる。
 ・・・・・・・・・・・・・・・。

「魔王さま、もう朝ですよ。」
 声がかけられる。
 しかしその声は、薄暗い部屋に唐突に現れたあの黒い影の方からではなく、かといって背後からでもなく、どこからともなくと、不思議な響きで聞こえてきた。
 聞き慣れた、安心できる声。
「もう、いい加減起きてください。」
 ふと、部屋の中にあった王冠が消えてしまった。
 まるで蝋燭の火をふっと吹き消したように、王冠は消えて煙になってしまった。
 王冠の残した煙が空気に混ざりかき消えて行く中で、あの深い深い紫のアメジストも、同じようにして消えてしまった。あの紫、少し気に入っていたのに。
 そして最後に、赤々と燃えているルビーの隣の、蝋燭の火が消えてしまった。蝋燭の火が消えた途端、部屋の中は完全な暗闇に満たされる。
 おかしいなぁ、この部屋にある小さな窓には木の板が打ち付けられていて、しかしそれでもそこからは、わずかな陽の光が差し込んでいて、さらに先ほど開いたあの扉からはもっと強い光が差し込んでいて、だから蝋燭がこの部屋の唯一の光源というわけではなかったのに。
「ほらっ、魔王さまなのにお寝坊さんだなんて、笑われちゃいますよっ。」
 そう言ってフレデリカは、わらわの身体を優しく包んでいた、柔らかくて暖かい毛布をはぎ取ってしまったわ。
「おはようございます、魔王さま。」
「・・・おはよう、フレデリカ。」
 わらわはどうやら眠っていたみたい。そういえば、昨日の夜にベッドの中でフレデリカに絵本を読んでもらっていたのよね。絵本のお話の途中までは思い出せるのに、肝心の結末が思い出せないってことは、きっと途中で眠ってしまったのね。
 つまり、あの部屋も宝石たちも、夢の中のものだったのね。
 寝ぼけてボヤボヤする頭でそのことを理解して、綺麗な宝石が夢だったと理解して少し残念な気持ちと、あの不安になる薄暗い部屋が現実じゃなかったということに安心する気持ちに、わらわは板挟みになる。そんな板挟みする気持ちの中で、勝っているのは安心感。綺麗な宝石を残念がる気持ちよりも、薄暗い部屋から解放された安心感の方がわらわの中で勝っていたわ。けれどわらわは、あの紫のアメジストだけは結構気に入っていたから、それだけはやっぱり残念になって、夢を夢と認めたくない時にするあのお決まりの質問を、わらわはしてみる。
「フレデリカ、わらわのアメジストは?」
「アメジスト?」
 フレデリカは少しだけ不思議そうな顔をして、けれどすぐに、今度は納得したような顔になって、
「ふふ、魔王さまったら、そんな夢を見ていたんですか?」
 まぁ、夢でよかったわ。
 確かにあのアメジストは気に入ったけれど、やっぱりあの部屋は少し怖かったもの。

「魔王さま、もう大きいんですからお着替えは自分でしてくださいね。」
 それからわらわはフレデリカに言われて、朝の身支度をする。
 パジャマを脱いで、少しダボダボする黒いローブに着替える。このローブ、恰好良いけれど少し着心地悪いのよね。それにたまにはピンクとか緑とか、いろんな色のものを着てみたいわ。着替えが済んだら今度はうがいと顔洗い。フレデリカは本当は、朝起きたら朝ご飯の前にまず歯を磨く人で、わらわにもそうさせたいらしいのだけれど、朝ご飯のずっと前に起きるフレデリカと違って、わらわは朝ご飯の直前に起きるから、そんなご飯の前に歯磨きなんてしたら美味しいご飯の味がわからなくなっちゃうから、こうしてうがいだけで済ませてくれているの。そしてうがいをしたら顔を洗わなくっちゃ。わらわは顔を洗い始める前に、鏡をのぞき込む。
 寝ぼけて薄目の鏡の中のわらわが、わらわを見返していたわ。
 なんだかだらしない顔ね。ちょっとだけど目ヤニなんかついてるし、もしかしてこれってよだれのあと?
 わらわはそんなだらしない自分の顔を見て少し恥ずかしくなって、急いで、そして丁寧に、顔を洗い始めたわ。蛇口から流れてくる冷たい水が気持ち良い。寝ぼけてボヤボヤする頭に顔を洗う水の冷たさがしみて、わらわの頭はだんだんとはっきりしてくる。だいぶ頭がはっきりしたところで、顔を上げて改めて鏡を覗く。
 よくクリクリで可愛らしいとみんなが褒めてくれる紫の目が、今度ははっきりと開いてわらわを見返したわ。それにほっぺたの下のほうに付いていたよだれのあとも消えて、わらわのほっぺたはいつも通りのつややかで柔らかな姿を取り戻したわ。このほっぺたのこともみんな褒めてくれて、今言った「つややかで柔らか」って言うのは、前にフレデリカに言われた言葉なのよ。フレデリカったらわらわのほっぺたが本当に好きみたいで、よく指先でつついたり、自分のほっぺたをわらわのほっぺたにくっつけて、スリスリしたりするの。わらわはいつもやめてって言うのだけど、フレデリカはなかなかやめてくれなくって、でもわらわ実は、フレデリカにほっぺたをスリスリされるのが好きだから、あんまり本気でやめてって言わないの。まぁ、時々フレデリカがやり過ぎてほっぺたが痛くなるから、それは嫌だけどね。
 そして、わらわは自分の頭に目を向ける。
 伸ばしている途中の、肩に届くくらいの少し青みがかった黒い髪。その髪の生えるわらわの頭のてっぺんには、鮮やかな紫色をした、小さな小さなツノが二つ、控えめに生えている。
 わらわのお気に入りのツノ。
 わらわ自慢の、可愛らしいツノ。
 みんなわらわの目とかほっぺたをよく褒めてくれるのだけど、実はわらわ、自分のことだからかよく分かっていないの。でも、このツノだけは本当にお気に入り。ツノはわらわの大好きな紫色をしていて、しかもその紫はとっても鮮やかな紫で、小さく、可愛らしく、わらわの頭の上で自己主張してるの。もしかしたら、このツノが気に入ったから、わらわは紫色が好きなのかもしれないわ。
 そしてそんな風に考え事をしながら、鏡に映る自慢のツノを少し眺めて、わらわはフレデリカの待つ廊下へと出る。
「お待たせ、フレデリカ。」
「はい、魔王さま。」
 返事をしたフレデリカはわらわの顔をのぞき込んで、悪戯っぽく笑う。
「ご自慢のツノは、今日も可愛く決まっていましたか?」
 どうやら、フレデリカはわらわのことは何でもお見通しみたい。わらわはツノがお気に入りだって誰にも言ったことがないのに、フレデリカにはお見通しだし、鏡で念入りにツノのチェックをしたこともお見通しみたい。
「もう、それ内緒なんだから!」
 わらわは少しむくれて、フレデリカに注意をする。誰かに聞かれたらどうするの?
「大丈夫ですよ。誰にも聞かれていません。」
 そしてそんなわらわの注意を受けて、フレデリカはこともなげにそう言う。フレデリカはすごくしっかり者だから、内緒の話をするときは周りに誰もいないか確認するし、ちゃんと秘密は守ってくれるの。もちろん、盗み聞きしようとしたって無駄よ。フレデリカはしっかり者の上にすごく優秀だから、誰かが隠れていたってすぐに気付いちゃうんだから。

 そんなフレデリカと一緒に廊下を歩いてしばらくすると、少しずつ人の姿が増えてきたわ。
 今歩いている廊下には窓がほとんど無くって、明かりは壁に等間隔でお行儀よく並んでいるロウソクに頼っているわ。だからこの廊下はいつでも薄暗くって、だけど夜中にトイレに行きたくなったわらわや、それから夜中でも頑張ってお仕事をしてくれている人たちのために、ロウソクの火が消えることはないの。だから「いつでも」薄暗いのよ。ちなみに、この薄明るさは演出のためでもあるって昔聞いたことがあるけれど、それって一体何の演出かしら。
 そんな廊下ですれ違うのは、ほとんどがメイドと執事。みんなわらわとすれ違う度に丁寧にお辞儀をしてくれたり、
「おはようございます、魔王さま。」
 って、挨拶をしてくれるわ。
 わらわ、良い子だからちゃんとお辞儀と挨拶を返すの。でもね、たまにはわらわから挨拶したいなって思うのだけど、それが意外と難しくて、なかなか上手くいかないのよ。別に、先に挨拶するのが恥ずかしいとか、そういうわけじゃないの。ただ、わらわがどんなに気を付けていても、みんな先にわらわに気付いて、素早く挨拶をしてくるの。わらわが先に挨拶しようと口を開こうとすれば、それを察していつもよりもっと早く挨拶してくるのよ?わらわ、みんなが意地悪するって、先に挨拶させてくれないって、フレデリカに言ったら、
「ふふ、それは意地悪してるわけじゃないんですよ。みんなベテランなんです。」
 って、言っていたわ。わらわはそれが、特に「ベテラン」ってところがよく分からなくってフレデリカに聞き返したら、
「うーん…。」
 フレデリカは少しだけ俯いて考えてから、顔をパッとあげてニッコリ笑って、
「みんな魔王さまが大好きってことです!」
 って嬉しそうに言ったわ。
 わらわは相変わらずよくわからなかったけれど、大好きって言われて少し照れくさかったけれど嬉しかったし、意地悪じゃないってこともわかったから納得して、
「そっか。」
 って、少し照れながら言ったわ。
 そんなわらわを見たフレデリカは、
「まぁ、私が一番魔王さまを好きですけどね!」
 って言って、わらわを揉みくちゃに撫でまわしたわ。フレデリカはいつもわらわを撫でてくれるし、ほっぺたスリスリとかをしてくるけれど、ここまで揉みくちゃにされるのは珍しかったわ。その時のわらわは、少しうっとおしそうにしてみたのだけれど、本当はすごく嬉しかったのよね。あ、これも内緒よ?


続きを、明日の更新で載せます。
 
ファミリアマスターが征く!(227)       天国の光
ファミリアマスターが征く! -目次-

ファミリアマスターとは?
↑初めての人は読んでね♪

前回:ファミリアマスターが征く!(226)
    -おいで病院-



病院内部
 ふと思い立ち、足を踏み入れたおいで病院。
 そこにはどうにも不思議な寒々しさと清潔感が満ちていました。
 無人の病院に満ちる、それらの不思議な感覚。その不思議さは、エリネルで目にしたような数々の神秘的な不思議さとは正反対の、なにか異様な、不思議と言うよりも不可思議な感じがしました。
 ともすれば不気味な、異様な清潔感と寒々しさ。
 それは少し、あの地下鉄に似ていました。
 あの地下鉄には清潔感なんてさっぱりなかったけれど、それでも何故か、この空気はあの地下鉄のものに似ていました。

声が聞こえる
 そんな名状しがたい空気に満ちた、おいで病院の中。
 ふと、声が聞こえた気がしました。
 はっとして、周りを見回してみても、やっぱり人影も、人の気配もありません。
 それにその声は、まるであたり一面の壁全体から聞こえてくるようで、それでいてとても微かでボンヤリとしたものだったような気がしたのです。
 誰も居ない病院の中で、人の声が聞こえるなんてありえない。
 まして、そんな不可思議な聞こえ方をするなんて、ありえない。
 空耳だ。
 私はそう思うことにしました。
 そして、その空耳になんとなく居心地の悪くなった私は、この病院から立ち去ろうと思いました。
 誰も居ないんじゃ、泊まらせて下さいって頼むことも出来ないしね。勝手に泊まる訳にも行かないし。
 うん、そうだよ。
 それじゃまるで泥棒か何かだよ。
 よし、帰ろう。
 ・・・・・・。

「待って・・・。聞こえてるでしょう・・・?」
 声が、もう一度聞こえました。
 さっきと同じくひどくボンヤリとして、どこから聞こえているかもはっきりと分からないような、声。
 その声には病院に満ちる空気と同じ感じが、異様なまでの寒々しさと、ともすれば清潔感のあると言えてしまうような、透き通る感じがありました。今まで、声と言うものに清潔感なんて感じたことがありません。
 ありえない聞こえ方をする、不思議で、まるでこの世のものではないような声に、私は空恐ろしくなると同時に、どうにも、ひどく心を惹かれてしまうような感覚に襲われました。
 悲しいくらい寒々しくて、綺麗と言うのとも少し違う、清潔感のある透き通った声。
 そんな声は、私の心をひどく揺さぶり、惹きつけました。
「ねぇ・・・。寒いの・・・。」
 寒々しい声は、訴えます。
 本当に寒そうに、感じているのであろうその寒さを、声に乗せて。
「私は、上に居るわ・・・。外から回って、上がってきて・・・。」
 上に居るというその声は、しかし右から、左から、下から、そしてその声の言うとおり上からも、全ての方向、全ての壁から聞こえてくるようでした。

病院二階へ
 そんな声に導かれて、私は半分夢の中に居るかのような心地になって、声の言うとおり外に出て、病院の壁に見つけたはしごを使って病院の二階へと上ります。
 夢のような心地と言っても、夢見心地と言うわけではありません。あの暖かくて、幸せで、何かに包み込まれるような感じと、私が今感じている感覚は、かけ離れていました。
 けれど、私が感じているこの感覚を言い表すには、その夢のような心地と言う言葉が一番適切で、私は夢の中に居るように、足元がおぼつかず、全身の感覚は体の周りに何か膜を張られたかのように不明瞭で、頭の中の思考は判断力を失っていました。
 まさに、夢の中に居るような、心地。
 そんな夢見心地と言うにはあまりにも寒々しくてよそよそしい感覚の中、私は声に導かれるがまま、病院の二階へと入っていきます。
 入り口にかかる、おそらくは電気の力で光を放っている、立ち入り禁止の看板にも目をくれずに。
 看板は赤々と光り、その存在を主張して、その立ち入り禁止と言う警告に強い彩りを与えていたのに。

正体不明の女
 病院の二階には、不思議な白い光が満ちていました。
 壁一面にこれでもかという程にならんだ換気扇の隙間から差し込む、白い光り。
 透き通り、清潔感に満ち、とても暖かく感じるであろう色彩を放つその光には、しかし病院内に、そしてあの声に満ちる、寒々しさが満ちていました。
 カニングシティは夕暮れ時。
 外か白い光が差し込むなんてありえない。
 ありえない声と、ありえない光。
 そのありえない光は、まるで天国の光みたいだなと思いました。
 死後の世界に満ちる、生者には寒々しく、そして切ないとしか感じることの出来ない、美しい光。
 私達と、私達の前から去って行ってしまった人たちの間を阻む、儚くも美しい光。
 そんな、光の中。
 光に照らされながらも、深く、それでいて透き通るような影を湛えた、包帯で顔の半分を隠された一人の女の人が居ました。
 包帯に覆われて顔が半分見えないその人を見て、私は綺麗な人だな、と思いました。
 同じ女性なのに、男性がきっとそう思うように。
 ううん、性別なんて超越して、狂おしいように、かき乱されるように。
 
ファミリアマスターが征く!(226)       おいで病院
ファミリアマスターが征く! -目次-

ファミリアマスターとは?
↑初めての人は読んでね♪

前回:ファミリアマスターが征く!(225)
    -不吉な存在-



おいで病院
 街を訪れた時には既に夕刻で、日は随分と低いところにありましたが、今やその日も落ちきる寸前。夜の帳が、辺りに降り始めています。そもそも遅い時間に街についてから、さらに二つも仕事をこなしたわけですから、当たり前と言えば当たり前です。ゼイエムさんの仕事はパッと行ってサッと物を取ってくるだけの簡単なものでしたが、それでも説明を受けるのにそれなりに時間を使いましたし、ネーラさんの依頼では地下鉄の奥深くまで歩いて行って、さらにジュニアレイスを150匹も退治していたので、随分と時間がかかりました。
 そろそろ、今日の寝床を探さなくてはなりません。
 自然の只中のペリオンやエリニアなら野宿と言う手もありましたが、こんな都市の真っ只中で野宿はしたくありません。モンスターがうろつく荒野や森でキャンプを張ったほうがまだマシというものです。
 けれど辺りに民家や、まして宿泊施設などは見当たらず、ネーラさんも家へと帰る様子はありません。
 もしかして一日中ここに立ってるのかな・・・。
 まさかとは思いますが、そんな想像が私の頭の中を駆け巡ります。だってネーラさんったら、本当に帰る気配がないんだもの。
 うーん、どうしようかな・・・。
 カニングシティでは、他の街でしていたように居候も期待できなさそうです。ゼイエムさんも、カニングシティでは何をするにもお金が必要だと言っていたし、お手伝いするから泊めて下さいと頼める雰囲気もないです。そしてこういう都市には「ホテル」と言う宿泊施設があると聞いたことがあるのですが、それらしきものも見当たりません。お金はそれなりにあるけれど、肝心の泊まる所がなければ役に立ちません。
 ・・・・・・。
 目の前にそびえる、大きな病院。
 看板には大きく、
おいで看板
 と書いてあります。
 おいで、かぁ。
 そう言われると入りたくなります。
 病院なら、もしベッドが余っていたら泊めてくれたりしないでしょうか・・・。
 もちろん病院のベッドは病気や怪我をした人のためのものだけれど、それでも、患者さんが来たらすぐ退くなら、余っているベッドを貸してくれたりはしないでしょうか。雨風と外を歩く人の目が凌げるなら、この際床でもいいです。
 ヘネシスのお医者さんの、優しい顔がチラつきます。
 ・・・・・・。

病院内部
「おじゃましまーす・・・。」
 病院の中に入ってみると、そこには地下鉄よりも寒々しい色彩をして、外のスラム的な街よりもよそよそしい雰囲気に満ちた、寂しい病院の景色が手狭に広がっていました。
 青白い色をした壁は寒々しさを放ちながらも、そこはさすが病院と言った所でしょうか、異様なまでの清潔感を放っています。そして奥の方には診療室が見え、さらに奥、開け放たれた扉の先には、蛍光灯と同じ色で光る不思議な掲示板と、そこに張られた、どうにも不気味なガイコツの写真がかかっていました。
 ガイコツの写真は、少しテカリのようなものを帯びて、普通の紙よりも、なんと言うか硬質な感じがしました。あれはきっと、フィルムです。科学が生み出した、水に濡れても平気で、光を綺麗に透過する硬質の紙。ヘネシスでも何度か、見た事があります。
 そしてそのガイコツの写真のそばには据え置き式のカーテンのようなものがあり、目隠しの役割をしています。あれがなんと言う名前のものかまでは知りませんが、ヘネシスのお医者さんにも同じものがあったので、それはこの街に来て初めて見る、馴染み深いものでした。診察中は、人に見られたくないもんね。それはどこのお医者さんにもある、一般的な目隠しでした。そして診療室の扉側には堅そうなベッドが置いてありましたが、そこに眠る人はいませんでした。
 と言うより、この病院自体に人気がありません。
 一通り見渡してみても人の姿はさっぱり見えず、またそれらしき気配も、物音もしません。
 ただ時折、診療室の下にある大きな四角い穴、おそらくは通気口でしょう。そこを抜ける風の音と、ガイコツの写真がかかった掲示板の蛍光灯が立てる、ジーっと言う耳鳴りのような音が聞こえるだけでした。
 人気の全くない、けれど異様な清潔感と蛍光灯の寒々しい明かりに満ちた、病院。
 なんとなく、寒気のようなものがします。
 その寒気は、地下鉄で感じた、ジュニアレイスの残した蜃気楼のような寒気に似ていました。
 
ファミリアマスターが征く!(225)       不吉な存在
ファミリアマスターが征く! -目次-

ファミリアマスターとは?
↑初めての人は読んでね♪

前回:ファミリアマスターが征く!(224)
    -暗闇に潜むモノ-



vsオバケ2
 白い布の中から何かが抜けるように、布の隙間からバフっと空気を発散し、被っていたその白い布以外に存在した証を何も残さず霧散してしまったジュニアレイス。
 ジュニアレイスが居た場所に、落ちているその白い布の上に、いつまでもいつまでも冷たい空気が残っていると言う錯覚。
 そして、そんな空気を感じて、ほの暗い電車の窓の中に何かがちらついて見えた錯覚。
 そんなたくさんのモノに、得体の知れない怯えを抱いていた私。
 ・・・・・・。
 今やそれも、懐かしいです。

vsオバケ
 数が、多いよ!!
 ネーラさんはジュニアレイスを150匹退治して、彼らの被っている白い布を50枚も集めてきてくれと言いました。
 初めは特に何も思いませんでしたが、150匹と言うその数は、今まで色んな街でこなしてきたたくさんの仕事を思い返してみても、そうそうある数ではありませんでした。たぶん、ペリオンでボアと戦った時くらいなんじゃないかな?そんなにたくさんやっつけたのは。
 たくさんのジュニアレイスと戦って、やっつけていく度に、私の中の得体の知れない怯えもいつの間にか消えてしまって、今じゃ冷たい空気も火照った体には気持ち良いし、電車の中でちらつく影も全く気にならなくなりました。
 ・・・え?
 それじゃ錯覚じゃないじゃないかって?
 うーん、確かにそうだけれど、でも、もう慣れちゃって、私ははっきりと感じるそれらを錯覚と決めて気にしないことにしたのでした。
 冷たい空気は確かにあるけど、だからと言って何かが起こるわけでもないし、窓の奥がちらつくのは天井の蛍光灯が瞬いたからかもしれない。そう考えて、とにかく気にしないことにしたのです。
 だって、そんなことをいちいち気にしていたら、いつまで経っても仕事が終わらないもの。
 150匹と言う数がそれだけ多いのです。
 そして、そんな風に次から次へとやっつけているにも関わらず、ジュニアレイスは次から次へと、暗闇の中からまるで湧き出すように、私の前へと現れます。湧き出てきた場所にある大きな暗闇が意思を持って分離して小さな暗闇となり、それが白い布にくるまって明るい場所まで出てきたかのようです。暗闇は影がないと存在できないので、だからジュニアレイスは布切れに包まって、薄明るい蛍光灯の光から守ってくれる影を作っているのではないでしょうか?
 そんな風に、戦いながらもジュニアレイスという正体不明のモンスターについて考察し始めた頃。

アリススタンプ
しらゆき、今ので150匹達成ね。
 ふと、アリスがモンスターブックの中から語りかけてきました。
 賢いアリスはその中から、私がやっつけたジュニアレイスの数をしっかりと数えてくれていたようで、考え事をしていた私に仕事が終わったことを教えてくれたのでした。そして鞄の中を確認してみると、彼らの落としていった白い布切れも、50枚以上はちゃんとありそうです。

アリススタンプ
仕事が終わったなら、早く帰りましょう?
ジュニアレイスはそう強いモンスターではないけれど、少し不吉な存在よ。
あれが何で白い布を被っているか、考えなかった?

 物知りのアリスは今日は饒舌で、今日は久しぶりにモンスターについてたくさんの事を話してくれました。


ファミマススタンプ
うーん、布切れの中に暗闇を作る為?
 そんなアリスに私は先ほど考えたことを話してみますが、アリスの答えはそれとは少しだけ違ったものでした。 

アリススタンプ
さすがしらゆき。いい線行ってるわ。
でも、それは少しだけ違う。死者は昔から、白い布を身に纏うもの。
死装束は真っ白だし、亡くなった人の顔には白い布をかけるでしょう?
そしてあの白い布には、故人の顔を悪霊から隠すためと言う意味合いがあるの。


ファミマススタンプ
へぇ・・・。
あれはそういう意味だったんだ。


アリススタンプ

そうよ。そして見てみなさい。
ジュニアレイスは白い布を全身に被っているけれど、顔だけは出しているわよね?

 アリスのその言葉に、私は何だか体の底が冷え冷えとするような気持ちになりました。

アリススタンプ
とても、不吉だわ。
だから、用が済んだのならここから早く去りましょう?

 言われて、私は足早に元来た道をとり、地下鉄から立ち去ります。
 さっきまで忘れていた、蛍光灯の放つジーっと言う耳鳴りのような音が、まるで後ろから追いすがってくるようだと感じました。


見る目のあるネーラ
 街に戻り、仕事が済んだことをするとネーラさんは大喜び。
 どうやら彼女が思っていたよりも、私は早く仕事を終えることが出来たようです。
「やっぱり私って見る目があるんだから。」
 私の仕事のスピーディさよりも、自分の見る目の正しさを絶賛するネーラさん。最初に会った時から思っていたけれど、どこかマイペースな人です。
 そんなネーラさんは、しかしお礼のことは忘れずに、しっかりと仕事への報酬をくれました。
 これでしばらくは、このよそよそしいカニングシティでもやっていけそうです。
 ゼイエムさんの仕事から立て続けに二つ目の仕事も終えて、私の懐は温まり、心には安心が広がりました。

また何かあったら
 ネーラさんは別れ際にそう言って、手を大きく振って私を見送ってくれました。
 ゼイエムさんもまた仕事があったら呼んでくれるそうだし、しばらくは食いっぱぐれることもなさそうです。
 とりあえずの安心を得た私はもう随分と深まった夕闇の街の中を、寝床を求めて歩き出すのでした。
 
しらゆきさんとゲーム(2)
最近、メイプルシロップがお気に入りです。
メイプルストーリーじゃなくって、メイプルシロップね?=w=
まったりとした甘さで、ほんのりといい香りがして、色んなものに合います。
お砂糖の入ってない、純ココアを作る時に、お砂糖の代わりに入れてみたり、豆乳に溶かして飲んだり、紅茶に入れるのも美味しいです。
お砂糖は体にちょっと悪いけれど、メイプルシロップはそうでもないみたいだしね。
栄養が、豊富らしい!
でも、ひとつだけ気になってることがあって・・・。
メイプルシロップって検索すると、ほとんどかならず「もしかして、メープルシロップ?」って正されます!
これが・・・、メイプルストーリの弊害・・・。

メイプルじゃないよ、メープルだよ!
しらゆきさんです、こんばんは♪(*゚ー^)ノ


昨日に引き続き、今日もちょっとゲームのお話。
昨日、好きなゲームについて今度語りますね!って言ったので、忘れないうちに、ね。
延ばすと、絶対忘れる・・・。=w=
私がはまったゲームの、どこが楽しかったかとか、楽しかった遊び方の、話ですっ。

ドラクエ7
いわずと知れた有名シリーズの、7作目ですね。
ドラクエの7は、シリーズの中でも毛色が違っていて、好みが相当分かれるみたいなんですけど、私は好きです。
世界が島ごとに切り取られて封印されていて、それをひとつずつ復活させていくストーリーなんですけど、その風変わりなシステムのおかげで一つ一つの島で色々なストーリーがあったり、それぞれに色みたいなものがあって、それがお気に入りです。
レブサックはどうにもならない切ない気持ちになりましたね・・・。
ダーマ神殿は、熱かったなぁ!

ちなみに、そうやって自分が復活させた世界をお散歩するのは結構楽しくて、NPCの人たちに話しかけつつ色々歩き回ったりするのもお気に入りでした。
それと、思い出深いのがなんと言ってもお花摘みシステム!(トイレのことじゃないよ!)
ドラクエ7では植わってるお花を摘めて、それを好きな場所に移し変えられたんです。
だからお花の多い町では摘んでは移動させ、摘んでは移動させ・・・、自分のお気に入りの花畑を作って遊んでいました。街から一歩でも外に出たら、元に戻ってしまうちょっぴり儚いしらゆき花壇。
子供の頃に、お母さんが居ない夜、夜中の2時くらいまで延々とそんなことしてました・・・。

ダーククラウド・ダーククロニクル
これはアクションRPGで、メイプル以外では一番遊んだゲームなんじゃないかな?
両方ともキャラじゃなくて武器のLVが上がるゲームで、延々と武器のLV上げをして楽しんでました。鍛冶屋さんみたいですね(?)
でも、このゲームはなんといってもジオラマシステムが魅力。
ゲームの箱には「ジオラマRPG」って書いてあって、ダンジョンで集めた材料を使って街づくりが出来るんです。
ダーククラウドでは元々決まった家や家具しか配置できなかったけれど、クロニクルではもっと自分の好きに街づくりが出来るようになって、こちらも深夜まで街づくりしたり、つくった街でお散歩したりしてました。
あとは、ミニゲームが充実かな?
魚釣りしたり、ゴルフしたり、コレクションしたり、コスチューム集めたり、色々細かい要素があって、そういうのが好きな人はいつまでも遊んでいられました。

あと、これはダーククラウドのほうの話なんですけれど、2番目に仲間になるキャラの武器がパチンコで、その中のひとつがなんと喋るんです。
敵をロックオンすると喋って、敵によってしゃべることが違って、敵ごとにずっとロックして、何喋るのかなーって聴いてるのが楽しいんです。
その喋るパチンコはスティーブって言って、名前の通りに(?)お調子者で、ちょっぴりキザ。
そのパチンコを使う2番目の仲間の子はネコミミをつけた、カントリーな格好をした女の子なんですけれど、たまにスティーブがその子に向かって、その子はシャオって言うんですけど、「そういえばシャオって可愛いよな。」とかサラっと言ってくるもんで、それがまた萌えたんです!むきゃー!

ダーククロニクルのほうがちょっと有名なゲームだから、知ってる人もいるかな?

ジャックxダクスター
アメリカのゲームらしくて、日本では1と2が遊べます。
1はマリオ64みたいで、雰囲気もほのぼのとしています。
2は一変してダークな世界観の、殺伐としたゲームです。
私は2をやり込んで、その殺伐とした世界で交わされる、策略だの戦友的な友情だの熱い何かだのに、萌えてました。
ラストのほうは、本当に熱かった!
そのゲームもミニゲームが豊富で、レースとか、スケボーみたいなのとかで、一所懸命に遊んでいました。
スコアの自己ベスト更新は、本当に嬉しい!
途中で入手できる銃を使って乱闘したり、街中をバイクで暴走するのが楽しいゲームでした。

ちなみに3まであるのですが、3は日本版はないのです・・・。
動画サイトで、ちょっぴり見たけど遊んでみたいなぁ・・・。



と言うわけで、今日はここまで。
今度は(次の今度は明日じゃないですよ!)マリオとかの有名どころを語ってみたい!
それじゃ、またね!
 
しらゆきさんとゲーム
もうすぐ二月。
近づく春が嬉しい方も多いと思いますし、私みたいに冬が一番好き、なんて方も、去り行く冬に名残惜しさを感じながらも、春の暖かさにどこか焦がれているのではないでしょうか。
かく言う私も、暖かくなるのはやはり楽しみです。
寒いのは好きですし、冬のあの銀世界の景色も好きですけれど、春になって暖かい中を、軽めの服を着てお散歩なんて、のんびりしていて素敵じゃありませんか?
春めいていくしらゆきさんです、こんばんは♪(*゚ー^)ノ


なんて、ちょっとシャレオッティ(お洒落)なアウトドア発言をした直後に、今日はインドアなお話だ!!

最近、ゲームを楽しんでいないんです!
去年も中頃まではメイプルを(主に変な縛りプレイで)がっつり遊んでみたり、その前は音ゲーやシューティングに精を出し、さらにさかのぼればゼルダの伝説で謎を解き勇者になってみたり、マリオを隠し要素全部クリアして悦にいってみたり・・・。
って、誰が引きこもりだっ!ちゃんと、お外出てるわ!(←にゃうでヤングでイケイケなテンション)
まぁ、私が引きこもっているかどうかは置いておいて、それなりにゲームをエンジョイしていたんですよ。
思えば昔から、無駄にLV上げしたりミニゲームやり込んだりするの好きだったなー。
ダーククラウドとか、ジャックxダクスターとか知ってます?今度語りますね( *´艸`)

で!
私気付いたんです!
ゲームは幸せなんです。ゲームをやり込んで、上手く行かないことにヤキモキしつつも練習し続けたり、作業みたいに同じこと繰り返したり、非生産だけれどそういう時間を持つって言うのが、私幸せでした!
だから私、2月になったら、春になったら、もうちょっとゲームやるぞ!って意気込んでます!
「外に桜咲いてるのに家でゲーム・・・。」とか言わない!それは別腹だもん。桜とゲームは別腹。

なんか最近、あんまりゲームしてないことにふと気が付いて・・・。
うん、でも音ゲーはやってたんですよ。キャラがちょっとあざとい画面をタッチするタイプの音ゲーがあるんですけど、それを片手でやって楽しんでしました。オンライン対戦が出来るゲームで、ちょっとした定型文でチャットが出来るんですけれど、それで、
「あのね!」
「あのね!」
「ちょーいけてるしっ」
って打つのが好きでした。
分かる人、いるかな?
でもねー、何だか最近、それもゲームを楽しむって言うよりは、100円玉を入れる作業みたいになっちゃってて、やりながらも時間のこととか気にしてほとんど楽しんでないことに気付いちゃって、ちょっとお休みしたほうがいいかなーって思っちゃったり。
だから、もうちょっとしたらキチンと時間を取って、ゲームをエンジョイしたいと思います!
なんて、良く分からない愚痴のような宣言のような、しらゆきさんの戯言でした。
もちろん、お正月に抱負で書いたコレもちゃんとやってますよ!
もうちょっとしたら、宣伝出しますね( *´艸`)

なんだか、こういうぷらいべぇとなこと書くと、「わぁ、おひさ!元気してたーっ?」みたいな気分になっちゃいますね。
私だけかな?でもいいかな=w=
それじゃ、今日は私の戯言にお付き合いいただきありがとうございました!
またねー!(*゚ー^)ノ
 
ファミリアマスターが征く!(224)       暗闇に潜むモノ
ファミリアマスターが征く! -目次-

ファミリアマスターとは?
↑初めての人は読んでね♪

前回:ファミリアマスターが征く!(223)
    -電車とコウモリと・・・-



オバケ発見?
 先程までと変わらない地下鉄の光景と、そこに流れる地下鉄の空気。
 そこにフヨフヨと漂う、寒々しい白い布切れを被った謎の存在。よく見れば、顔であろう部分にあいた白い布切れの隙間には、暗闇があり、ただ目だけがぼんやりと、まるで天井からこの場所を薄明るく照らす蛍光灯と同じような色で、光を放っていました。しかし、それ以外は、闇。布切れから覗くはずの顔は一切見えず、ただ目だけを光らせて、その隙間には暗闇が満ちていました。
 先程までと変わらない景色と空気が、その謎の存在の出現によって、表情を変えました。私は寒々しいコンクリートがまるで古ぼけた墓石のような色をしていることに気付きました。近代的なノスタルジーの空気を放っていた赤錆びた足場はとても退廃的なオブジェに見え、奥で誰も乗せることなく、動くこともなく停まっている電車の中には、しかし何者かが潜んでいるような気がしてならなくなりました。ほら、今にもあの窓から誰かがこちらを覗き込んで・・・。
 ・・・・・・。
 なんてことは、もちろんありませんが、けれど私はどうにもそんな錯覚を覚えて、薄ら暖かい空気の中で、寒々しい気持ちになります。
 変わらない地下鉄の景色と空気。
 ただ、地下鉄の入り口。今の私たちにとってここからの出口だけが、随分と遠ざかっていました。

vsオバケ
 何はともあれ、ここが駅員さんに教えてもらった場所であることだけは間違いがないです。私は彼に教えてもらった通りに進んできたのですから。そうなると、この白い布切れを被った子たちが、ネーラさんの言っていたジュニアレイスと言うモンスターのはずです。
 そうモンスターです。
 オバケなんかじゃありません。これはモンスターです。
 仮にオバケだとしても、オバケのモンスターです。キノコのモンスターと何の違いもありません。
 そう自分に言い聞かせて、奮い立たせて、私は矢を放ちます。お供のマンドラゴラ二匹も、その矢を合図とするかのように、ジュニアレイスに向けて勢いよく走り出しました。

vsオバケ2
 ジュニアレイスはそう手強いモンスターでもなく、簡単にやっつけることが出来ました。ジュニアレイスは倒れる時、「ミィーっ!」と、まるで猫のような声を出して、軽い爆発音を立てて、消えていきました。
 そう、消えていったのです。
 猫のような叫びと軽い爆発音とともに、被った白い布切れの内側から、まるで炭酸が抜けるように、もしくはお布団に強く倒れ込んだ時のように、空気が抜けて、布切れの中身を覗かせる事無く、空気に溶けてしまったかのように消えてしまいました。

白い布切れ
 後に残ったのは、空気が抜けた勢いで宙に浮かび上がり、やがてヒラヒラと落ちてきたこの布切れだけ。ジュニアレイスの被っていた、あの寒々しい白さをした布切れだけ。
 布切れだけを残して、ジュニアレイスの居たそこには、地下鉄の薄ら暖かい空気がありました。しかしそこだけ、ジュニアレイスの居たその小さな一か所だけ、どうにも空気が冷たいような気がしてなりませんでした。
 もちろん、勘違いです。
 手をかざして他の場所と比べてみても、そこの空気だけ冷たいと言うことはありませんでしたし、仮に本当にそこにだけ冷たい空気があったとしても、周りのあの薄ら暖かい空気に溶けて混じって、すぐに同じ温度になってしまうはずだからです。
 だけど、私にはどうにも、その場所だけ空気が冷たいような気がしてなりませんでした。
 そしてそんなことを思っていると、ふと視線の端で、何か影のようなものがチラついたようにも見えました。その方向へばっと振り向いてみてみると、そこには電車の窓が。電車の中は蛍光灯の灯りが遮られて、ここよりもいくらか暗くなっています。

切り取って気が付いたんですけど、この窓、すごい圧迫感ですね
 何もない。
 あの中には何もないんだ。
 今チラついた影みたいなのは気のせいで、もし本当に何かがチラついたんだとしても、それはここよりも暗い電車の中の闇が、何かの拍子にチラついたように見えただけなんだ。
 私は自分にそう言い聞かせます。
 それが正しいんです。私はこの寒々しい地下鉄の中で出会った、オバケのモンスター相手に少し気が弱くなっていて、だからありもしないものが見えて、ありもしない考えが浮かんでくるんだ。
 いくらそう言い聞かせて、いくらそれが正しい、まさに理論なのだと頭で理解しても、ジュニアレイスの居た場所。今は白い布切れの落ちているだけの場所に漂う、まるで蜃気楼のみたいなありもしない冷たい空気が、消えることはありませんでした。
 
プロフィール

しらゆき

Author:しらゆき
メイプルストーリー、いばらでのんびり遊んでます。

最新記事
ツイッター
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
FC2カウンター