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ファミリアマスターが征く!(218)       ワクワクの工業街
ファミリアマスターが征く! -目次-

ファミリアマスターとは?
↑初めての人は読んでね♪

前回:ファミリアマスターが征く!(217)
    -黄昏の街道-



 カニングシティの光景は、今まで見てきたどの街のものとも、一線を画していました。
 今までも私は、色んな街で、色んな光景を見て来ました。
 長閑な草原の中のヘネシスと、その奥にあるキノコ王国。
 荒れ果てた荒野のペリオン。
 深い深い森の奥のエリニアやエリネル。
 ヘネシスの草原には草木も生え、時折小さな丘が切り立ち、また草原を奥へと進めば小さな森もあったりと、色々なものに満ちているとも平凡ともいえる環境でしたが、エリニアとペリオンはそれぞれが極端に、一方は植物に満ち満ちた深い深い森として、もう一方は草木は枯れ果て岩の剥き出しの荒野として、それぞれの特徴を際立たせた環境にありました。
 しかし、それぞれに特徴のあるそれらの環境ですが、そのどれもが自然に満ちた環境という点で、それぞれの街は同じでした。
 けれどこのカニングシティには、少なくともこうして見渡してみた限りでは極端に自然がありません。

コンクリートの樹
 先ほどまでは柔らかな下草に包まれていた街道も、今はコンクリートやレンガで地面がおおわれていて、歩くたびにコツコツと無機質な音がします。私にとってその音は結構珍しいもので、思わずコツコツ、コツコツと、必要以上に歩き回り、足を踏み鳴らしてしまいます。
 そんな硬質な足音を立てさせる地面からは、今は樹木ではなく、変な石の棒が立っていました。この色は、たぶんコンクリートでしょうが、これはいったい何でしょう?まるでコンクリートの樹みたいです。この風変わりなコンクリートの樹には、黄色と黒の縞々模様が特徴的な鉄板が巻き付けられていて、そのまるで蜂のような色使いには、わずかに威圧感を感じます。その巻き付けられた鉄板の上、コンクリートがむき出しになった部分からは、コンクリートの樹の枝と言ったところでしょうか、短い鉄の棒が等間隔に突き出しています。その等間隔さはまるで梯子のようで、登ってくれと言わんばかりです。私は辺りを見回して、誰も居ないことを確認して、ちょっと登ってみようかと、つま先を立てて背をピンと伸ばして、一番低い所にある鉄の棒に手をかけるのですが、そこまでしたところでやっぱりやめておこうと、手をかけた鉄の棒から手を放します。
 カニングシティはビクトリアで最も近代的な、科学と工業の街。
 そして科学と工業には、電気が付き物です。
 私がその電気の恩恵にあずかることは、今までほとんどありませんでしたが、それでも電気がどんなものかくらいは知っています。電気は機械を動かすための動力になり、また電気によるランプ「蛍光灯」とやらは、ランプ以上に強い灯りを作り出し、夜を昼に変えるものだと言われています。
 そんな強い力を持った電気は、触るとビリビリ、しびれてしまうものなのだそうです。
 私は電気の恩恵にあずかったことがない、と言いましたが、それでも電気を見たことはあります。それは雷です。雷は身の竦んでしまうような轟く音と強い光を伴って、地上と空の間を走る電気なのだそうです。恐ろしい轟音と共に大地を抉る雷のことを思い、そしてエリニアで少しだけ見せてもらった、魔法使いたちの使う強力な雷魔法のことを思います。そんな雷に触れたらどうなるかなんて、想像したくもありません。
 ここは科学と工業の街で、電気を扱うカニングシティ。
 この土地が初めての私は、一体どこに電気が流れているのかなんて知る由もありませんが、だからこそ、触らぬ神に祟りなしと、この見知らぬコンクリートの樹にも電気が流れているかもしれないと、私は恐ろしく思い、鉄の棒からあわやと言うように手を離したのでした。
 そしてよく見れば、上の方には如何にも科学っぽいメカニカルな部品と、その部品の一部、コンクリートの樹から流れる妙な黒いロープに下がった雷のマーク。さらに「蛍光灯」らしき、ランプのような形をしたものまでついています。これは、本当に触らぬ神に祟りなしだったかもしれません。もしもあのまま登っていたら、私は科学の作り出した雷に打たれていたかもしれないと思うと、少しゾッとしました。

鉄骨のやぐら
 他にも、一体何に使うのかよく分からない建物も見つけました。鉄骨と、これまたコンクリートで出来た、これはやぐらでしょうか?梯子も付いていたし、さすがにこれには電気は流れていないだろうと思い、上ってみると、下から見上げた時よりも高くって、少し気分が良くなります。寒々としたコンクリートから、薄暗い夕日に照らされたカニングシティの街道を見下ろすと、何ともノスタルジーな気分になります。

不思議なタコ
 街道を歩いていると、見てください、タコが居ました。
 それもただのタコではありません。なんと三つ目です。三つ目のタコが、レンガの地面を歩き回っています。
 タコが地上を歩き回っているだけでも不思議なのに、その不思議なタコはなんと三つ目で、頭は妙にごつごつしていて、脚は異様に細くウネウネとしています。まるで頭に血が上っているかのように、タコは頭に近づくにつれて赤から紫色になっています。実物のタコを見るのはこれが初めてですが、図鑑や写真では今までにも何度か見たことがあります。しかしそのどれとも違い、異様な雰囲気のこのタコに、私はタコと言うよりもむしろ宇宙人のようだと、少し失礼な感想を抱きました。

タコの住む丘
 そんなタコは、先ほどのやぐらと同じく鉄骨とコンクリートで作られた、今度は丘のような所を住処にしているようでした。この大きな鉄骨の丘には、とてもたくさんのタコが住んでいて、所狭しと歩き回っています。

黄昏丘のてっぺん
 そんな丘を上ると、そこは少し空と近い場所。
 黄昏たカニングシティの夕闇の空がこんなに近く、遠くにはコンクリートの塔、ビルがたくさん立ち並んでいるのが見えます。
 近代的な科学と工業と、他では見られないような不思議な薄闇に満ちた夕暮れが相まって、とても綺麗で、だけどどこか寂しいこの光景。私はうっとりしてしまって、しばらくただぼうっとして、この景色を、夕闇とビル群を、眺めていました。

カニングシティー
 そんなたくさんの初めて見るものを通り過ぎ、街道をさらに歩いていくと、やがて街が見えてきました。
 街道と同じく、だけど街道よりもなお色々な物が少し乱雑な感じで乱立した、大きな大きな街。
 盗賊の街、カニングシティに辿り着きました。
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しらゆき

Author:しらゆき
メイプルストーリー、いばらでのんびり遊んでます。

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