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ファミリアマスターが征く!(220)       初めてのお使いin明薬局
ファミリアマスターが征く! -目次-

ファミリアマスターとは?
↑初めての人は読んでね♪

前回:ファミリアマスターが征く!(220)
    -よそよそしい街-



YOU、仕事探してるのかYO?
 とても怪しげで、なんだか怖そうなおじさんの目の前を、私は素知らぬふりをして通り過ぎようとしましたが、しかしそうは問屋が卸さないと言わんばかりに、そのおじさんが私の背中に向けて話しかけてきたのです。
 抑揚のない、低い声。
 意識しなくても効いてしまうドスを、抑えたような声。
 そんな声に、私は思わずビクリとします。それほどまでに、このおじさんには、なんというか、雰囲気がありました。私は思わず逃げ出したくなります。けれど、そんなことをしたら失礼だし、その失礼がおじさんの怒りを買うのも怖いしで、私はおじさんの声を無視することも出来ません。ですが、私がおじさんの声に聞こえないフリをして、そそくさと逃げ出そうとしなかった理由はそれだけではありません。話しかけられたその内容が、私にとってとても魅力的なものだったからです。
「お前、この街で仕事を探してみないか?」
 このおじさんは、人の心でも読めるのでしょうか?
 この街に来てからずっと、私が考え続けていたことをまるで言い当てるように、おじさんは私に仕事の話を持ち掛けてきたのです。
「お仕事・・・、ですか?」
 意を決して彼の方へと振り返り、そう尋ねなおす私。
「そうだ。」
 見た感じからして明らかに余所者の私を捕まえて、急に仕事の話を振ってきたおじさんに、私は少し面食らいます。
「まぁ、そう戸惑うな。お前、余所者だろう?なら仕事がなくては困るだろう・・・。この街では仕事をしないと生きていけないからな。」
 戸惑う私に、おじさんは流暢に説明をしてくれました。相変わらず低くて、少しドスの効いたようなおじさんの声ですが、それらの放つ恐ろしい感じは、その言葉の滑らかさに相殺されて、私の抱くおじさんへの警戒心はだいぶ薄れました。
 それに、余所者の私のために仕事を斡旋してくれようというのです。なんという親切なおじさんでしょうか。人を見た目で判断してはいけません。
「あぁ、お前のその顔。俺を親切だと思っているだろう?だがな、これは親切じゃない。利害の一致なんだ。お前は仕事が必要。俺は仕事をこなしてくれるやつが必要。そしてこの街の人間なんかよりも、余所者の方がよほど信用できるし、そもそもこの街の連中は自分の仕事に手いっぱいで、なかなか人の依頼なんて聞いちゃくれないんだ。」
 見た目に反して親切に見えたおじさんは、彼によるとどうやら親切な人ではないようです。しかし、そんなことを細かく説明してくれるおじさんは、私にはやっぱり親切に見えました。
「だがな、一つだけ親切な忠告をしてやろう。」
 自称親切じゃないおじさんはそう言って、悪戯の相談でもするように声を潜めます。
「この街の人間を、そう簡単に信用しちゃあいけない。もちろん、俺のこともだ。」
 親切じゃないおじさんは、囁くようにその親切な忠告をしてくれました。

仕事の説明
「さて、仕事の話に移ろうか。」
 なんだかんだで随分と話してしまったし、話しているうちに私の恐怖心も薄れてきたし、何より仕事は必要だしで、私はおじさんの提案を素直に受けることにしました。
「いきなり難しいことを頼むわけにもいかないからな。お前がどれだけ使えるやつかも分からんし。そういう訳でまずはちょっとした練習だ。練習と言ってもれっきとした仕事だから、気を抜くなよ?」
 おじさんのその改まった態度に、私は少し緊張します。

キラキラの建物
「あそこを見ろ。」
 おじさんはふと、街の上層部のレンガの上に建つ、一つの建物を指さします。キラキラ光る不思議な飾りのついた建物。キラキラの飾りの上、建物の二階には一回にあるものとは別の、看板の付いた入口がありました。おじさんはその看板を指さしているようですが、どうやらあれは薬屋のようです。看板にフラスコの中に入ったポーションの絵が描いてあります。
「あれは明薬局だ。」
「明薬局・・・。」
「そうだ、明薬局。あそこに入ると大きな引き出し棚があるから、そこの一番右、上から二段目の引き出しにある物を持ってくるんだ。特に店主に断りを入れる必要はない。ヤツも分かっているだろうからな。指定された引き出しをいじるお前を見れば、それで察するはずだ。」
「一番右の、上から二段目・・・。店主さんには話しかけない・・・。」
「そう、その通りだ・・・。お前は物覚えが良いな・・・。」
 おじさんは低い声で、唸るようにして私の暗唱に応じます。
「それじゃ、行って来い。」
 おじさんに見送られ、私は明薬局を目指します。

明薬局入り口
 キラキラの飾りのついた建物の階段を上って、明薬局の前。
 カニングシティでの、ちょっぴり怪しげな初仕事に、少しだけ緊張します。けれどこんなところで立ち尽くしていたら余計に怪しいので、私はすぐに意を決して、さっと建物の中に入ります。

明薬局
 明薬局は、なんだか少し寒々しい感じの薬屋さんでした。
 しかしその寒々しい室内の壁には、おじさんの言った通り大きな引き出し棚が備え付けられており、その棚の一つ一つには漢字で薬の材料らしきものの名前が書いてあり、その寒々しさと相まって、なんだか本格的な薬局と言った感じがします。これまた薬局らしいガラスの仕切り付きのカウンターの向こうに居る店主のお爺さんも、立派な白髪に白衣を着て、いかにもと言った風貌です。
 私は言われた通り、お爺さんには一言も話しかけずに言われた棚を探します。
 お爺さんも、最初にチラと私を見ただけで、後は向こうを向いてそれまでしていた何かの書類仕事に戻ってしまいました。
 一番右の、上から二段目・・・。この棚かな?

応急治療薬
 棚の中には、赤い十字架の書かれた、何かの治療道具と思しきものが入っていました。他にめぼしいものが入っていないどころか、棚の中にあったのはこれだけでした。きっとおじさんが言っていたのは、これで間違いないでしょう。
 私はお爺さんの方をチラと見ます。しかしお爺さんは相変わらず書類仕事をしていて、もはやこちらを見ることはありませんでした。
 大丈夫そうかな。
 お爺さんのその様子を見て、私はこの治療道具を持って明薬局を後にします。

どんどん薬を使いましょう
 帰り際、出入り口の上には「どんどん薬を使いましょう」と書かれた飾り看板が付いているのを目にしました。
 どんどん薬を使いましょう。かぁ。
 薬を使わないで済むのが一番いいんだろうけど、それじゃ薬屋さんは商売あがったりだね。
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Author:しらゆき
メイプルストーリー、いばらでのんびり遊んでます。

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