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ダークヒーロー★しらゆき(96)       マジカルティーチャー★ベアトリスⅣ
 熱心に多くを学び取ろうとするジェイに、魔法やその勉強法を教えるベアトは、相変わらずの無表情ながらもどこか楽しげだ。きっと勉強熱心で理解も良いジェイは良い生徒で、それを教えるのは楽しいものなのでしょうね。
 ジェイは本当に熱心で、理解も良くて、勉強に対する体力もある。
 分からないことがあればすぐに、そしてしっかりと飲み込めるまでベアトを質問攻めにする。そんなジェイにベアトは嫌な顔一つせず丁寧に、詳しく教え、時には逆にジェイに質問をして、彼の理解を促す。質問返しをされて、それとなくベアトに誘導され、自らの答えを出して理解をするジェイはその度に本当に嬉しそうな表情を見せる。それはジェイのやる気に繋がったし、何度も繰り返されるその過程の中で、ジェイは自分なりの考えを持つということの意味を、自分なりの答えを出していくことで体得していった。
 今まで考えもしなかった勉強法を前に、苦戦しながらも一所懸命、一つずつ学び取っていくジェイはとても楽しそう。今まで考えもしなかったということを考えるということは難しい事だけれど、課題が難しい分得るものも大きいし、またそれは新鮮味に満ちているということでもあった。元から勉強慣れしていて集中力が持続することもあるだろうけれど、そんなたくさんの新鮮味と成長の実感から、ジェイは夢中で学び続けるのだった。
 熱心に学ぶジェイと、生来の表情の乏しさを披露しながらもどこか楽しげに教えるベアト。その光景はわらわに、自分自身の幼い頃のことを彷彿とさせた。わらわは偉大で天才な魔王だから、もちろん勉強は良く出来るし、博識よ。今は使えないけれど、本当は魔法だってとても上手い。と言っても、さすがのわらわも知識と魔法ではベアトには敵わないけれどね。そんなわらわも、小さい頃は実は勉強が苦手だったわ。そしてそんなわらわに、今のベアトのように、いえ、それ以上に熱心に勉強を教えてくれる人が居たのだけれど、その人もまた無表情だった。それはもう本当に無表情で、それはベアト以上だった。けれどその人は本当に熱心に、そして楽しみながらわらわに勉強を教えてくれて、わらわは段々と勉強が好きになっていって、やがてわらわとその人の間には、今目の前で行われているような、熱心な生徒と無表情ながらも真摯な先生と言う構図が出来上がっていったのだった。
 そんなことを思い出して、ふと懐かしさを感じて、わらわはこの光景を眺める。今ベアトの話していることは全てわらわも知っていることだし、二人とも勉強に夢中でわらわの存在なんて忘れてしまったかのように授業を続けているけれど、わらわは決して退屈することがなかった。二人のそんな様子をぼうっと眺めているのも楽しいし、時には彼らから視線を外してジェイの本棚を眺めて、わらわの世界にある物とは違う、この世界の本と言うものに思いを馳せるのもまた楽しかった。不死身のわらわは、これ以上老いることも、死ぬことも無い。限りある時間というとても貴重な資源は、わらわにとっては無限だった。
 多くの人が羨む不老不死。永遠の時間。
 確かにそれは知識を溜めこむのにも、体を鍛えるのにも、何か技術を極めるのにも最高なものだったけれど、同時にとても空しいものだった。
 頭が良いから何?強いから何?
 それに何の意味があるの?
 どんなにたくさんのものを手に入れても、一番手元に置いておきたいものはいつだって永遠を持つわらわの指の間をすり抜けて、わらわの下から去って行ってしまうわ。誰もがわらわよりも先に死んでいって、残るのは、ただわらわの中にあるものだけ。知識と、強い力と、段々と薄れていく皆の思い出だけ。
 おちゃらけたわらわだけれど、昔は何度もそんなことを思って、たくさん悩んだわ。
 だけど最近では、そんな永遠も悪くないと思うようになった。
 こうして手持無沙汰に、二人の勉強風景を眺めるわらわは、こういうのもやっぱり悪くないと思う。
 永遠の時間を持つわらわは、ただこうして何もせずに、わらわの親しい人が何かに夢中になっている様をのんびりと眺めることが出来る。いつかそれは切ない思い出になるとしても、わらわの思い出の貯蔵庫は無限なのだ。
 ・・・・・・。
 なんだからしくなかったわね。
 わらわったらノスタルジーなポエミスト。たまにはこんなわらわも、美しいでしょう?
 まぁ、少し話がずれたけれど、とにかく二人とも勉強に夢中で、それを眺める手持無沙汰なわらわも、その手持無沙汰さに夢中という訳よ。

もふもふベアト
うん、やっぱり筋が良いですね。
 ふと、ベアトがそう言った。
 今まで魔法のことばかり話していた彼女が発したその魔法とは関係のない言葉は、二人の間に流れ続けるたくさんの言葉の中で際立って聞こえた。

もふもふベアト
もうだいぶ慣れたんじゃないですか?こういう勉強にも。
 ちょっとした息抜きを兼ねてか、ベアトはジェイにそう確認をする。

ジェイスタンプ
はい。
 ベアトのその質問に、ジェイは力強く頷き応える。

もふもふベアト
自力でも続けられそうですか?
 重ねるベアトの質問に、ジェイは少し思案してから、ゆっくりと、けれど訥々とではなく丁寧に答える。

ジェイスタンプ
僕は今までこういう勉強の仕方を知らなかったし、こういう方法を教えてくれる本もほとんど見たことが無いけれど、それでも続けていけると思います。そもそも、こういうやり方の勉強は、やり方さえつかんだら後は自分なりの仕方を見付けていくものだと思いますし、だから教えてくれる本も無いんだと思います。
 魔界には結構あったけれどね、そういう本。だけどわらわもベアトも、ここで茶々を入れたりはしない。世界が違うんだもの。勉強法や本だって、違って当たり前だわ。

ジェイスタンプ
でも、なんというか、今までに読んだ本も今読み返したら、同じ内容でも違ったものに見えそうです。
 嬉しそうに話すジェイは、そこでいったん言葉を切って、少し考えてからこう結んだ。

ジェイスタンプ
まるで、たった一日で世界が変わったようです。
 そうね。わらわもたった一日でこんなに伸びる子は久しぶりに見たわ。
 でも、ジェイが凄いのも確かだけれど、それはきっとジェイだけの力じゃなくって、ベアトの力でもあるんだわ。生徒だけじゃなく、先生も良かったのよ。だって貴方の先生は、わらわの自慢のベアトリスなんだものね。


もふもふベアト
ほったらかしにされた魔王さま、ノスタルジーに浸る。

魔王スタンプ(ヘネシス)
もう、茶化さないと気が済まないのかしら。
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しらゆき

Author:しらゆき
メイプルストーリー、いばらでのんびり遊んでます。

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