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ダークヒーロー★しらゆき(101)       魔王様、死す
ヘレナスタンプ
貴女を、排除します
 冷たくそう言い放ったヘレナ。
 排除しますって何よ。カッコイイわね。わらわでもそんな言い回し出来ないわ。
 しかし、そんな大それたことを言い放ったヘレナは、相変わらず強い冷徹さを含んだ真面目な表情で、ただただわらわを見詰めるばかり。この表情は、完全にわらわを敵と認識していると言っている。
 ふふっ、望むところよ。わらわが求めていたのは、これよ!

魔王スタンプ(ヘネシス)
来ないのかしら?
 しかし、待てど暮らせど、ヘレナは一向に動く気配を見せなかった。それこそ毛一本動かさず、持ち主と同じようにすらりとして、それでいて立派な得物を構えようとすることすらなく、ヘレナはただじっとわらわを見詰めていた。
 まさか怖気づいたわけでもあるまい。かと言って、ヘレナは相手に先手を打たせてあげるなんていうような、遊び心に満ちているような相手にも見えない。これはきっと、カウンター狙いね。ヘレナはあえて敵に先手を打たせてカウンターをかますタイプと見たわ。

ヘレナスタンプ
そちらから、いつでもどうぞ。
 決まりね。これはカウンター狙いだわ。
 わらわから決して目を離さず、集中力を切らさず、分かりやすい挑発でわらわの攻撃を誘うヘレナ。わらわはそんなヘレナの挑発に敢えて乗って、飛び掛かって行っても良かったのだけれど、それじゃあんまりにも芸がない。せっかくだから、ヘレナがどれくらい我慢できるのか試してみようと思い立ち、攻撃をしかけることなく待ってみることにした。
 最初はヘレナと同じようにただじっと、相手が動くのを待つ。ヘレナと同じ真面目な表情で、ヘレナと同じように相手を見詰めて。見つめ合うわらわとヘレナ。これじゃ素直にお喋りも出来ないわ。
 わらわは随分とそうしていたけれど、ヘレナはそれでもかかってこない。
 今度は趣向を変えて、あえて集中力が切れたふりをしてヘレナから視線を外してみたり、呼吸を乱してみたり、意味も無く体の一部に力を込めたり抜いたりしてみる。しかしそれでもヘレナはかかってこない。わらわは気を抜いたふりをして気を抜かず、彼女から視線を外した目の端で、悟られないように常にへレナの様子を窺っていたけれど、ヘレナはそれを知ってか知らずか、一向に微動だにしないでいる。
 すごい集中力ね。わらわは感心する。
 これじゃいつまで経ってもヘレナはかかってこないでしょう。わらわは今度は、思い切って本当に力を抜いて、気を抜いて、ヘレナから視線を外した。今度は彼女を目の端にすら入れずに、わらわには今、本当にヘレナの姿は一切見えていない。しかもわらわは普段ですらもう少し周りを気にしているだろうと言うくらいに気を抜いているから、ヘレナが今どうしているのか、その気配すらも感じ取れない。わらわは不死身。例え殺されたって死ぬことはない。それを活かしてヘレナを試してみたけれど、何も起こらないことから察するに、彼女はいまだに微動だにせずにわらわを見詰め続けているのでしょう。
 見上げたものね。正直驚いたわ。
 今はヘレナにとっては明らかにチャンスのはずだわ。わらわは完全に気を抜いていて、きっと今矢を放たれたら避けられない。それを見抜けていないのか、はたまた見抜いたうえで何かの企みを疑ってそうしているのかは分からないけれど、ヘレナは決して自分から攻撃をしてこなかった。チャンスをみすみす逃しているという点では反省すべきだけれど、一度決めた自分の作戦を決して崩さないという点で、ヘレナの精神力には目を見張るものがあった。ここでもしわらわに攻撃をしかけたら、それはヘレナがわらわのペースに乗せられたことになる。一度相手のペースに乗せられれば、それにずるずると引きずられて、やがては完全に相手のペースに飲まれてしまう危険がある。ヘレナはそのことをわきまえて、決して集中を乱さずにわらわを見詰め続けている。それは並大抵のことではない。敵ながらあっぱれだわ。
 とにかく、これ以上ヘレナの攻撃を誘っても無駄だと言うことがよく分かった。きっとヘレナは、わらわがこのまま日が暮れるまでじっとしていても攻撃を仕掛けてこないだろう。ヘレナはヘネシスを守るのが自分の使命だと言っていた。わらわを、敵を倒すことが使命だとは言っていなかった。そして、ヘレナがわらわを睨み続けて、わらわをここで足止めし続けられるなら、そのヘネシスを守ると言う使命はそれで達成されるのだ。ただ、別に足止めなんてされなくったって、わらわはヘネシスに何もしやしないと言うことをヘレナはどうも分かっていないようだった。わらわは気が付けばそれなりに長くこの街に滞在しているけれど、それでも何も起こさないわらわの所に今更のこのこやってきて、わらわから嗾けた部分もあるにしろ喧嘩を売ってきたヘレナは、抜けているんだか、しっかりしているんだか、どうにもよく分からない相手だった。
 まぁ、いいわ。
 貴女のことはよく分かった。後は戦いを楽しむのみだわ。
 わらわはヘレナに集中の焦点を合わせなおして、意を決して彼女に飛び掛かる。

魔王スタンプ(ヘネシス)

 しかし、勢いをつけてヘレナに飛び掛かったわらわは、彼女に攻撃を加えることが出来なかった。わらわは今日は調子がいいのか、それとも毎日のキノコ狩りが功を奏しているのか、伝説の鉾の精神と戦った時を除いては、この世界にやってきてから一番のスピードを見せた。けれどヘレナはそれを凌ぐ素早さで、その手に下げた弓を構え、力強く、それでいて速く、矢を引いて、目にも止まらぬスピードで、ひゅんと風を切る矢を射った。
 彼女に向かって飛び掛かっていったわらわは反射的に身を横に引いて、その矢を躱す。耳に矢が風を切る音が飛び込む。

魔王スタンプ(ヘネシス)
なかなかのものね・・・。
 横に飛び退き矢を躱したわらわに、さらに追撃の矢が放たれる。あの一瞬で正確に弓を構え狙いを過たず放たれた一矢に続いて、二矢目、三矢目が連続で放たれる。目にも止まらぬスピードで放たれるその矢の狙いは極めて正確で、わらわは飛び退いた勢いのまま転がりながらそれを躱し続ける。
 こんなに正確な矢を、こんなに連続して撃つなんて。
 正直、ヘレナを舐めていたわね。まさかここまでの使い手だとは。
 しかし、どうしたものかしら。矢を躱しながらわらわは思う。
 このままではジリ貧だわ。わらわは今はこうして矢を躱し続けているけれど、いつか体力が尽きてしまう。その前に反撃のチャンスを窺うにしても、さらにその前にヘレナがわらわの回避パターンを見付けて、わらわが矢を躱したその先に、先手を打って矢を射ってくるかもしれない。弓使いにしろ、投擲の使い手にしろ、遠距離用の武器の優れた使い手はそういう目を持っている。敵が自分でも気が付いていないような回避の、思考のパターンを見破って、相手が動くであろうその先を狙うと言う目を。
 ならば、わらわから先手を打たなくてはならないわ。わらわの回避パターンを見破られるより先に、ヘレナに接近して攻撃を加える。
 わらわはそう思い、顔を上げてキッとヘレナを睨みつける・・・、が。
 そこに、ヘレナは居なかった。
 そこにあったのは、大きな大きな、赤と黒で彩られた弓矢が、狙撃手も無しにわらわに狙いをつけて矢を放ち続けるという何とも異様な光景だった。

ヘレナスタンプ
そこまでです。
 首筋に、ひやりとしたものを感じる。
 わらわの背後、ヘレナの構えた矢先が、わらわのうなじにピタリと当てられていた。

ヘレナスタンプ
あれはアロープラッターです。弓使いの技を極めた者が習得できる、設置型の魔法の弓。知りませんか?

魔王スタンプ(ヘネシス)
へぇ・・・。生憎と初耳ね。

ヘレナスタンプ
そうですか。弓使いの技のことも知らずに弓使いの街に攻めて来るなんて、甘い人ですね。

魔王スタンプ(ヘネシス)
わらわ、下調べはしない主義なの。だってその方が楽しいじゃない?あの、あろプラッター・・・と言ったかしら?下調べなんてしていたら、わらわはアレにこんな驚きを楽しめていなかったわ。

ヘレナスタンプ
ふん、遊び感覚ですか。正直手がかからなくて助かりますが、そんな気持ちで攻めて来られても腹が立ちますね。それに貴女、スキルの一つも使わないで、馬鹿にしていたんですか?

魔王スタンプ(ヘネシス)
ふふ、それもご生憎。わらわは、職業と言ったかしら・・・?それについていないの。気に食わない呼び方だけれど、この世界で言うところの初心者ね。

ヘレナスタンプ
・・・・・・。
 ヘレナはわらわのその言葉を聞き、黙ってしまった。しかしわらわのうなじにピタリと当てた矢先には相変わらずの緊張が満ちていて、とてもじゃないがそれを躱して距離を取ることなど出来そうにない。

ヘレナスタンプ
馬鹿にしすぎです。
 やがてヘレナは冷たくそう言い放って、

ヘレナスタンプ
さようなら。
 あぁ、これは一回死んだわね。
 しかも矢で首を飛ばされるなんて、格好悪いったらありゃしないわ。
 首に走るであろう痛みに、わらわは備える。しかし、

もふもふベアト
そこまでです。
 ヘレナよりもなお冷たく、無感情で、それでいてどうしようもなく怖気を催す何かを孕んだ声がヘレナの矢を射る手を止めた。

もふもふベアト
弓を下ろしてください。
 その声は、もうどれくらい聞いていないだろうか、初めて会った頃のベアトの声だった。初対面の頃のベアトはこんなにも冷たい声を出していたのかと、わらわは首に矢先の冷たさを感じながらふと懐かしむように思い出した。
 やがて、うなじに感じ続けていた鉄の冷たさが、離れていった。


もふもふベアト
かっこいいぃー!私!
かっこいいぃー!!


魔王スタンプ(ヘネシス)
なによそれ。素人の面白い人みたいね
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しらゆき

Author:しらゆき
メイプルストーリー、いばらでのんびり遊んでます。

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