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ファミリアマスターが征く!(224)       暗闇に潜むモノ
ファミリアマスターが征く! -目次-

ファミリアマスターとは?
↑初めての人は読んでね♪

前回:ファミリアマスターが征く!(223)
    -電車とコウモリと・・・-



オバケ発見?
 先程までと変わらない地下鉄の光景と、そこに流れる地下鉄の空気。
 そこにフヨフヨと漂う、寒々しい白い布切れを被った謎の存在。よく見れば、顔であろう部分にあいた白い布切れの隙間には、暗闇があり、ただ目だけがぼんやりと、まるで天井からこの場所を薄明るく照らす蛍光灯と同じような色で、光を放っていました。しかし、それ以外は、闇。布切れから覗くはずの顔は一切見えず、ただ目だけを光らせて、その隙間には暗闇が満ちていました。
 先程までと変わらない景色と空気が、その謎の存在の出現によって、表情を変えました。私は寒々しいコンクリートがまるで古ぼけた墓石のような色をしていることに気付きました。近代的なノスタルジーの空気を放っていた赤錆びた足場はとても退廃的なオブジェに見え、奥で誰も乗せることなく、動くこともなく停まっている電車の中には、しかし何者かが潜んでいるような気がしてならなくなりました。ほら、今にもあの窓から誰かがこちらを覗き込んで・・・。
 ・・・・・・。
 なんてことは、もちろんありませんが、けれど私はどうにもそんな錯覚を覚えて、薄ら暖かい空気の中で、寒々しい気持ちになります。
 変わらない地下鉄の景色と空気。
 ただ、地下鉄の入り口。今の私たちにとってここからの出口だけが、随分と遠ざかっていました。

vsオバケ
 何はともあれ、ここが駅員さんに教えてもらった場所であることだけは間違いがないです。私は彼に教えてもらった通りに進んできたのですから。そうなると、この白い布切れを被った子たちが、ネーラさんの言っていたジュニアレイスと言うモンスターのはずです。
 そうモンスターです。
 オバケなんかじゃありません。これはモンスターです。
 仮にオバケだとしても、オバケのモンスターです。キノコのモンスターと何の違いもありません。
 そう自分に言い聞かせて、奮い立たせて、私は矢を放ちます。お供のマンドラゴラ二匹も、その矢を合図とするかのように、ジュニアレイスに向けて勢いよく走り出しました。

vsオバケ2
 ジュニアレイスはそう手強いモンスターでもなく、簡単にやっつけることが出来ました。ジュニアレイスは倒れる時、「ミィーっ!」と、まるで猫のような声を出して、軽い爆発音を立てて、消えていきました。
 そう、消えていったのです。
 猫のような叫びと軽い爆発音とともに、被った白い布切れの内側から、まるで炭酸が抜けるように、もしくはお布団に強く倒れ込んだ時のように、空気が抜けて、布切れの中身を覗かせる事無く、空気に溶けてしまったかのように消えてしまいました。

白い布切れ
 後に残ったのは、空気が抜けた勢いで宙に浮かび上がり、やがてヒラヒラと落ちてきたこの布切れだけ。ジュニアレイスの被っていた、あの寒々しい白さをした布切れだけ。
 布切れだけを残して、ジュニアレイスの居たそこには、地下鉄の薄ら暖かい空気がありました。しかしそこだけ、ジュニアレイスの居たその小さな一か所だけ、どうにも空気が冷たいような気がしてなりませんでした。
 もちろん、勘違いです。
 手をかざして他の場所と比べてみても、そこの空気だけ冷たいと言うことはありませんでしたし、仮に本当にそこにだけ冷たい空気があったとしても、周りのあの薄ら暖かい空気に溶けて混じって、すぐに同じ温度になってしまうはずだからです。
 だけど、私にはどうにも、その場所だけ空気が冷たいような気がしてなりませんでした。
 そしてそんなことを思っていると、ふと視線の端で、何か影のようなものがチラついたようにも見えました。その方向へばっと振り向いてみてみると、そこには電車の窓が。電車の中は蛍光灯の灯りが遮られて、ここよりもいくらか暗くなっています。

切り取って気が付いたんですけど、この窓、すごい圧迫感ですね
 何もない。
 あの中には何もないんだ。
 今チラついた影みたいなのは気のせいで、もし本当に何かがチラついたんだとしても、それはここよりも暗い電車の中の闇が、何かの拍子にチラついたように見えただけなんだ。
 私は自分にそう言い聞かせます。
 それが正しいんです。私はこの寒々しい地下鉄の中で出会った、オバケのモンスター相手に少し気が弱くなっていて、だからありもしないものが見えて、ありもしない考えが浮かんでくるんだ。
 いくらそう言い聞かせて、いくらそれが正しい、まさに理論なのだと頭で理解しても、ジュニアレイスの居た場所。今は白い布切れの落ちているだけの場所に漂う、まるで蜃気楼のみたいなありもしない冷たい空気が、消えることはありませんでした。
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しらゆき

Author:しらゆき
メイプルストーリー、いばらでのんびり遊んでます。

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