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ダークヒーロ★しらゆき(106)       魔王様と巨像
 ベアトに連れ出されて、ヘネシスの草原にある小さな森を歩いていたわらわ。
 ジェイの家で二人がしていたあの秘密の文通は、これの相談だったらしい。ジェイはこの森の先で採れるという魔法の石が欲しくて、それをわらわに集めてきてほしいということを、ああやって密かにベアトと相談していたらしい。
 そんなこと、内緒で相談することでもないのにね。
 不思議に思いつつ、まぁ二人とも変わり者だしねと納得しつつ、わらわは何故かベアトに手を引かれて、森を歩く。
 やがて、薄暗い森の先に大きくて強い光が見えて、出口が見えてきたんだということが分かったわ。
 木々に頭上を鬱蒼と覆われながらも何故か燦々と明るかったエリニアの森と違って、この普通の、そして小さな森は昼でも薄暗い。そんな薄暗い森の出口に差す光は、とても強くて、眩いばかりだった。
 出口が見えてきたというわらわの呟きに、ベアトもその方向を見て、自分でその出口を確認すると、嬉しそうに駆け出した。
 繋がれた、ヒンヤリと冷たいベアトの手に引かれて、わらわも半ばこけてしまいそうになりながらも駆け足になる。
 ベアトったら、今日はやたら元気ね。
 いつもと立場が逆転だわ。
 手を引かれながらそんなことを思いながら、森の出口は近づいてくる。

もふもふベアト
うわぁ・・・!
 声を上げたのは、ベアトだった。

もふもふベアト
魔王さま、見てください!凄いです!
 薄暗い森から出て、頭上を覆うものは何もなくなって、燦々と降り注ぐ日光に少し目が眩む。目が眩みながらも、その眩んだ目に飛び込んでくる光景は、なんというか、荘厳なものだった。
 眩い光に包まれて、周りを森に囲まれて、そこにあったのは、大きな大きな、石造りの寺院だった。
 森の中に唐突に現れた、外の草原と同じく柔らかな下草に包まれた広場のようなその場所には、大きくて、入り組んで、歴史を感じる荘厳な寺院。
 寺院は灰色を、いかにも石の色という風の色をしたブロック状の石をいくつもいくつも積み上げられて作られている。レンガ造りに似た造りで、積み上げられた石のブロックが、遺跡のような寺院を形作っている。
 そう、寺院はまるで遺跡のようだったわ。
 その寺院は大きくて、入り組んで、立派なものだったけれど、長年風雨にさらされたように、所々壊れ、あちこちが欠け、苔むしている箇所さえある。
 けれどそれは決してみすぼらしい感じではなくて、むしろそれが味になっていた。
 森の中に隠されて、長い年月をただ静かに過ごしてきた石造りの寺院。
 歴史を、時の流れを感じる、厳かな空気が、森に満ちる静かで和やかで、そしてちょっぴりよそよそしい空気に混じって、この場に静かに湛えられていた。
 暖かい日光に照らされた中で感じる、ひんやりとした空気。
 気持ちが、スッと抜けていくような、澄んだ空気。

魔王スタンプ(ヘネシス)
凄いわね・・・。

もふもふベアト
はい。聞いていた以上です。
 そんな空気と光景を、ゆっくりと飲み下すように楽しみながら、わらわとベアトは感嘆の声を漏らす。
 そして、そうしているうちに目が光に慣れ、寺院の様子がもっとはっきりと見えてきた。

魔王スタンプ(ヘネシス)
あら?
 そして、そのはっきりと見える寺院、もぞりと動く大きな影。

魔王スタンプ(ヘネシス)
あれって、もしかしてゴーレムかしら?
 寺院を形作る石と同じ色の石の体をして、いいえ、きっと寺院と同じ石で出来た身体をして、ゆっくりと緩慢に動く大きな影が、そこにはあった。
 ゴーレムは、石に魔力や、何かそれに似た力が宿り生まれた、魔法生物。
 大きな石の、それから時たま金属なんかの無機物に、魔力が宿り、大きくて丈夫な、主に人の身体と同じ形を取って生まれる、無機質の生き物。
 ゴーレムは魔法で人に生み出されることもあれば、空気に満ちた魔力を吸って、長い年月をかけて自然発生することもある。
 ゴーレムはそんな、一種の魔法の産物だから、当然魔界にも居たわ。人が生み出すゴーレムは、その人の魔法や性格を反映した姿になっていたし、自然発生するゴーレムはその生まれた場所に何か所縁のある姿になる。
 このゴーレムは、きっと後者ね。
 ゴーレムは寺院と同じ石で出来た身体を揺するように動かして、歩くゴーレム。寺院の中でその姿は、まるで周りの景色に擬態しているかのように見えたけれど、あの大きな身体を隠し切ることなんて、出来っこない。一度ゴーレムの姿に気付けば、あちらにも、こちらにも、たくさんのゴーレムの姿がここには確認できた。

もふもふベアト
あー、っぽいですねぇ。
 どこかわざとらしく、わらわのゴーレム発見の声に同意するベアト。

魔王スタンプ(ヘネシス)
っぽいって、貴女知ってたんじゃないの?魔法の石を採りに来たんでしょう?確かにゴーレムなら、魔法の石を落とすわよね。あの身体自体が、魔力を吸った石で出来てるんだもの。

もふもふベアト
そうですねぇ。うん、知っていました。知っていましたけど、ほら、サプライズですよ。
 よく分からないことを言うベアト。

もふもふベアト
ほら、魔王さまゴーレムとか好きでしょ?昔色々カスタマイズとかしてましたもんね。男の子みたいに。

魔王スタンプ(ヘネシス)
まぁ、確かにしてたけど・・・。ゴーレムいじりが男の子の趣味だと決めつけるのは、気に食わないわ。

もふもふベアト
あはは、ごめんなさい。
 ゴーレムを生み出す際に、色々と工夫を加えて、もっと自分だけの、お気に入りのゴーレムを作ることが出来る。それを巷では、ゴーレムいじりとかカスタマイズと言うのよ。わらわも昔ははまったものよ。

魔王スタンプ(ヘネシス)
だから、黙ってたの?ゴーレムがいるって。

もふもふベアト
うん、そうですね。面白かったです?
 面白かったと聞かれると、何だか微妙な感じがして答えづらいけれど・・・、

魔王スタンプ(ヘネシス)
まぁ、面白いといえば面白い、のかしら?驚きはしたけれど。

もふもふベアト
うーん、魔王さまの反応が微妙だ・・・。

魔王スタンプ(ヘネシス)
でも、予備知識なしでこの寺院やゴーレムを見れたのは確かに良かったわ。その方がなんていうか、贅沢だもの。

もふもふベアト
あはは、贅沢ですかぁ・・・。うん、それならよかったです。
 そう言って、楽しげに笑うベアト。そしてベアトは、こう続けたわ。

もふもふベアト
さぁ、魔王さま!あのゴーレムたちを蹴散らして、魔法の石を集めてきてください!


魔王スタンプ(ヘネシス)
ふふ、わらわも昔はゴーレムいじりにハマったものよ。色んな工夫をして、たくさん魔力を込めて、強くて面白いゴーレムをいっぱい作ったわ。ゴーレムの大会とかmのあってね、周りは男の子ばっかりだったんだけれど、そんな中にまじってわらわのゴーレムったらね・・・

もふもふベアト
(あぁ、始まっちゃった。魔王さまって趣味のこと語らせると長いんだよなぁ。)
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Author:しらゆき
メイプルストーリー、いばらでのんびり遊んでます。

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