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ダークヒーロー★しらゆき(111)       魔王にふさわしい職業
魔王スタンプ(うへぇ)
ふぅ・・・。
 ほんのりと汗をかいて、艶めかしく息をつく魔王さま。
 くっそー、えろいな。

魔王スタンプ(ヘネシス)
こんなもんかしらね。はい、魔法の石よ。
 そう言って、色とりどりの魔法の石が入った鞄を私に差し出す魔王さま。
 魔王さまの手には、普通の灰色をした石の他に、黒、赤、青、そして白黒の、五種類もの石が入った鞄が。

モフモフベアト(ニコニコ)
ありがとうございます。
 その中身をしっかりと検めて、お礼を言う私。

モフモフベアト(ニコニコ)
でも、ベアトはそんな重たいの持てないですから、魔王さまが持っていてください。
 けれど非力な魔法使いの私にはそんな重いものは持てないので、そう魔王さまにお願いします。

魔王スタンプ(ヘネシス)
もう、石集めから石運びまで、おんぶに抱っこね。

モフモフベアト(ニコニコ)
いつものことじゃないですか。魔王さまのおんぶも抱っこも、ベアトのお気に入りです。
 魔王さまは私のその言葉に、少しだけ目を見開いて言いました。

魔王スタンプ(ヘネシス)
・・・もう。わらわ以外にそんなこと言っちゃダメよ?貴女ってなんていうか、不用心だわ。

モフモフベアト(ニコニコ)
魔王さま以外に、こんなこというわけないじゃないですか。
 魔王さまは私の返事に、やれやれと頭を振ります。
 私、甘え上手。
 ゴーレムと踊るように戦っていた魔王さまは、寺院の手前に居たゴーレムたちを全てやっつけてしまうと、寺院のさらに奥まで入って行って、そこに居た色とりどりのゴーレムたちと次々に戦いました。
 寺院に居たのは、寺院を形作る石のブロックと同じ色をした普通のゴーレム。
 少し奥に行けば、焦がしたように真っ黒な色をした黒いゴーレムも居て、そのゴーレムからは魔王さまの足元にも及ばないけれど、何か邪悪なものを感じました。きっと闇の力か何かに侵されたゴーレムなのでしょう。
 その奥には今度は赤いゴーレムと青いゴーレムが居て、彼らの居る場所はそれぞれ、熱かったり寒かったりしました。長い歴史の中で魔力を蓄えていったゴーレムが、炎と氷の魔力に目覚めたのが、彼らを見る私には分かりました。ジェイさんの魔法の練習用に欲しかった魔法の石。彼は特に炎の魔法を習得中なので、この炎の魔法石の存在は助かります。
 そして寺院の一番奥に居たのが、白と黒の混じったゴーレム。
 彼らは体の中心に核のようなものを覗かせて、その核を起点に、二色の身体を結合していました。
 寺院と同じ色をした灰色のゴーレムと、何かの邪悪に侵された黒いゴーレムが繋ぎ合わされた、二色のゴーレム。彼らはこの寺院の中では最も強い魔力を持っていましたが、そんな彼らも魔王さまにかかればお茶の子さいさいでした。
 とにかく、そんなたくさんの、そしてそれぞれに特徴を持った魔法の石が手に入ったので、私は大満足です。
 きっとこのたくさんの石を使って、ジェイさんは魔法の習得に努め、弓使いの街ヘネシスに、ゆくゆくは強大な魔法使いが生まれることでしょう。
 それは、彼の才能を見た私が保証します。
 彼は、絶対に強くなる。
 けれど、私の本当の目的は別な所にありました。
 その弓使いの街の「一番強いの」にやられて落ち込んでいた魔王さま。
 果たして彼女は、たくさん走り回って汗をかいて、元の元気を取り戻せたのでしょうか?

魔王スタンプ(ヘネシス)
ほら、行くわよ。
 ゴーレムの残骸が散らばる寺院に背を向けて、魔王さまは言います。

魔王スタンプ(ヘネシス)
もう、重たいわねこれ・・・。少しは持ってくれたらどうなの?
 歩きながら、重たいと言いながら、軽々とその魔法石の入った鞄を持つ魔王さま。

モフモフベアト(ニコニコ)
ベアトは非力な魔法使いですから、そんなの持てないですよ。
 さっき魔王さまと話しながら、心の中で思ったことを、彼女に告げてみます。

魔王スタンプ(ヘネシス)
わらわだって、非力な初心者よ。わらわは偉大な魔王で、だけどここでは非力な、スキルの一つも使えない初心者。
 おや?
 初心者と言われるとあれだけ怒っていた魔王さまが、どうしたことでしょうか、自分から自らを初心者と言いました。
 私の先を歩く魔王さまの顔は見えなくって、だから私には彼女が今どんな表情をしているかが見えません。私の目には、ただただ美しく揺れる黒髪が見えるばかり。
 その言葉は、まるで自虐のようでした。
 自信を失い元気をなくした魔王さまの、寂しげな自虐。
 けれど、その自虐を口ずさむその声には、どこか楽しげというか、満足げというか、上手く言えないけれど、なんとなく腑に落ちたような調子が満ちていて、私にはそれが言葉通りの自虐ではないことが分かりました。
 だから私は、魔王さまについて歩きながら、言葉の続きを黙って待ちます。

魔王スタンプ(ヘネシス)
そう、わらわは初心者。確かに魔界では強い魔王だったけれど、この世界では初心者よ。むしろ魔王としての威厳が職業に就くのを邪魔しているから、魔王だからこその初心者と言えるかもしれないわね。
 わらわは転職なんてしないわ!
 だってそれは、転職官の軍門に下るということだもの!
 魔王さまがかつてエリニアの森で言った言葉が、私の頭の中に蘇ります。

魔王スタンプ(ヘネシス)
初心者は確かに非力だわ。ヘレナの技を見て、それに負けて、ぼろくそ言われて解ったわ。いえ、むしろその前から解ってはいたわ。
 トコトコと魔王さまの背中についていく私は、少し駆け足になって彼女の背中にさらに近づきます。

魔王スタンプ(ヘネシス)
でも、わらわはやっぱり誰かの軍門に下ることはないし、魔王としての威厳が転職を邪魔しているというのなら、初心者であることを誇りに思うわ。魔王だからこそ、わらわは初心者なの。初心者こそ、この世界では魔王にふさわしい職業よ。
 揺れる魔王さまの黒髪が、もう目の前に。
 そこからふわりと流れる空気が、私には心地良いです。

魔王スタンプ(ヘネシス)
だからわらわは、初心者のまま強くなるわ。お膳立てされたスキルも、効率の良い成長も要らない。自分で強さを、初心者の戦い方を模索して、この魔王にふさわしい職業を、わらわの力で極めてみせるわ。そしてこの世界に君臨する、魔王になるわ。
 寺院からの帰り道。
 魔王さまと私だけのこの帰り道で語られるその言葉は誓いでした。
 魔王が、最も近しいお付きに誓いを立てているのです。
 強くなるから、ついてこい。と。

モフモフベアト(ニコニコ)
・・・・・・。
 私は何も言わずに、そっと魔王さまの手を取りました。
 ここへ来る時に使った道を、今は反対に歩く私たち。
 行きとは違う確かな力強さが、魔王さまの手を介して伝わってきました。
 来る時と同じようにして手を繋いで歩く私たち。
 けれどその両者の間には、確かな違いがありました。


魔王スタンプ(ヘネシス)
今日は1がいっぱいね。

モフモフベアト(ニコニコ)
いえーい!
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しらゆき

Author:しらゆき
メイプルストーリー、いばらでのんびり遊んでます。

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