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2018/12
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ダークヒーロー★しらゆき(125)       魔王様in戦士の聖殿
 豚と一緒に踊りを改め、豚踊りに案内されて入った、戦士の聖殿というこのどこか祠じみた建物の中には、何とも言えない荘厳な雰囲気が満ちていたわ。
 室内は外とは打って変わって、涼しく静かで、そして薄暗かった。
 大きく丈夫な岩を削り出して作ったこの建物の外壁は、なるほど丈夫で分厚くて、外の音をほとんど遮断していた。
 砂埃が舞う音も、時折小さな石が岩場を転がり落ちる音も、街に吹くそよ風というには余りにも乾燥し、生命の息吹も青々しさも感じられない、しかし強風というにも強さの足りない、結局はそよ風と言うしかない風が外壁を撫でる音も、この建物の中では無関係で、それらは一切聞こえなかった。
 きっと、街へ辿り着く前のわらわ達を嬲ったような強い風が吹いて、外壁を叩きつけても、ここは今のように静かなのだろうと、わらわは確信にも似た思いで考える。
 この場所に満ちる不思議な雰囲気が、わらわにそう感じさせたわ。
 そこまで考えて、わらわはその不思議な雰囲気とやらに満ちたこの場所を、そのここに入って扉が閉じられた瞬間に否応なしに感じ取った雰囲気とやらの正体を見定めるべく、この場所を細かく観察する。
 岩を削り出し中を空洞にした、人口の洞穴と言えるこの場所は、当然ながら薄暗かった。
 ただの洞穴ならばその入り口から外の明かりが差し込んで、奥の奥ならばいざ知らず、入り口手前は明るく、洞穴の中程まで進んでも薄明るいのでしょうけれど、この人口の洞穴には、ぴったりと閉じる両開きの扉が付いているから、その扉に外の音と光を遮断されて、だからこの場所は真っ暗になるはずだった。
 真っ暗なはずのこの場所に、薄暗さという薄明るさをもたらしているのは、大きな大きな松明だった。
 松明は入り口の上に二本、洞穴の奥に二本の計四本が据え付けられていて、そのどれもが仰々しいほどに大きかった。その松明は木をそのまま燃やすものではなく、木を台座にして受け皿を乗せ、その皿の中に燃料を注ぎそれを燃やすというタイプのもので、それはまるで何かの儀式か祭りにでも使う祭具のような様子をした、大きな、そしてどこか神がかった雰囲気を持つ、立派な松明だった。
 そんな大きな松明だから、当然それに灯された火も大きなもので、松明の大きな火からじわじわと広がる明かりは洞穴の中を、煌々と呼ぶには足りず、かといって暗いというには余りにも明るく、薄暗く、薄明るく、照らしていた。
 それはまるで、夜の森の中で焚いた焚火のようだった。
 焚火のような松明の火は辺りの暗闇をじわじわと食い破り、揺らめくその身に合わせて辺りの影もまた揺らめかせ、何とも言えない、視覚的な静かさを作り出していた。
 大きな松明の大きな火とはいえ、それは高々四本の松明に過ぎず、太陽の照らす外の明るさには到底及ばず、また最大限の明るさを得るために計算され数多く設置されたランプの明かりにすら及ばないものだった。
 しかしその松明の火には、あまりにも強い光をもたらす陽光にはない儚さのようなものがあって、極めて人工的であるランプにはない自然な揺らめきがあった。
 室内の暗闇を燃やし明かりをもたらすその松明の炎は、同時に室内の静寂に満ちた空気を、燃料だけでなく酸素も燃やすという意味でも空気を燃やし、パチパチと爆ぜる控えめな音は、空気に満ちる静けさもまた燃やしていた。
 揺らめく炎に合わせて揺れる、人口の洞穴に満ちる仄かな影。
 揺らめく炎がそのパチパチと爆ぜる音で燃やす、この場に満ちる静寂。
そんな揺らぐ暗がりと静寂に満ちたこの場所は、まさに戦士の聖殿と言うべき荘厳な雰囲気に満ちていた。
 岩を削り出して作ったこの建物は良く出来ていて、しかし天井はそれ程手入れされておらず、人口でありながら如何にも自然な、洞穴じみた天井をしていた。
 入り口上の壁には松明と並んで、兜に盾に剣にと、戦士の武具がオブジェとして飾られている。そのわきには赤い色をした布に楓の葉が描かれたタペストリーが下げられていて、まさに聖殿然とした様子だった。
 そして薄暗闇の奥には、松明の薄明りの中に沈むように照らされた壁には、外の物とはまた毛色の違った彫刻が施されており、外の物がいくらか幾何学的な様子だったのに対して、こちらは戦う戦士の絵をメインとした、人物に焦点を当てた彫刻であった。また、その彫刻がある辺りの暗がりには、たくさんの使い古したような剣や兜が半ば放置されたように仕舞われていて、それを見たわらわは、「あぁ、あれは戦士の修行で使ったものなんだな。」と思う。
 そんな、如何にも民族的で、戦士的な、荘厳で静かな雰囲気の中。
 この場に居るだけで気持ちがしゃんとしてくるような空気の中、その人物は静かに座っていた。


もふもふベアト
今日は台詞がないですね。

魔王スタンプ(ヘネシス)
あら、そうね。
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Author:しらゆき
メイプルストーリー、いばらでのんびり遊んでます。

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