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ダークヒーロー★しらゆき(126)       魔王様と拳
 松明に照らされ、何とも言えない荘厳な空気に満ちた、人の手によるどこか祠じみた洞穴の奥。そこには何か御神体でも祀ってありそうな台座があり、その上に、その男は座っていた。
 頭の上にいくつもの羽の付いた、腰まで届く長い飾り帽を被り、上半身は裸で座禅のように足を組んで座るその男。彼は組んだ脚に肘をつき、頬杖をつきじっとしている。その頬杖の奥に覗く上半身はほっそりとしていて、しかしよく見れば非常に実用的な、しなやかな筋肉が余す所なくその身体にはついていた。
 浅黒い肌に、漆黒の黒髪をして、その頭には仰々しいまでの飾り帽を被り、頬杖をつきただじっと座っているその男。
 男はじっとしたまま、動かない。
 その様子やほっそりとした身体、さらには彼の座る台座から、それはまるで成り立ての即身仏か何かのようだった。
 けれど彼をよく見ればその細身の身体はしなやかな筋肉に覆われていて、またじっとしたまま動かない彼からは物静かな、それでいて力強い生命力のようなものが溢れだしていて、言ってしまえばミイラである即身仏とは、彼は似ても似つかないことをわらわは感じて、即身仏という例えは些か早計だったとわらわは思った。
 彼のその静かな存在感に、わらわは思わず呆けたように見惚れていた。
 先程までこの洞穴の中をキョロキョロと首と目を動かし楽しげに観察していたベアトも、彼のその存在感に圧倒されていた。
 そう。何より驚くべきなのは、彼はずっとそこに居たはずなのに、わらわ達は今の今まで彼が居ることに気が付かなかったということ。
 圧倒的なまでの存在感を放つ彼はずっとそこに居たはずなのに、わらわ達はそれに気付かず、まるで彼が何もない宙からぱっと湧いて出たかのように、唐突に彼に気付き、そして気付いてからはその圧倒的な存在感を、今までそれに気が付かなかったことが信じられないくらいに、ひしひしと感じていた。

豚踊りスタンプ
拳。
 そんな彼に、何のためらいも無く豚踊りが話しかける。

拳スタンプ
豚と一緒に踊りをよ・・・。
 彼はその呼びかけに、姿勢はそのままに静かに答えた。

拳スタンプ
拳とはご挨拶だな。私の名前は拳を開いて立て、だ。勝手に略さないで欲しいものだな。

豚踊りスタンプ
ふむ。だが俺とお前の名前は些か長いとは思わんか?俺たちは慣れているからいいが、外から来たお客人にはそうでは無いようで、俺たちの名前を呼ぶのは大変なようだぞ。
 拳を開いて立てと名乗ったその男は、口の端を不敵にニヤリと吊り上げて、豚踊りの呼びかけに応じた。ただ「拳」とだけ呼ばれたことが不満だったようだが、豚踊りはそんな彼の不満を一蹴して、わらわ達を振り返る。

豚踊りスタンプ
この二人は・・・、
 わらわとベアトを流し目で見てから、彼は再び拳を開いてたに向き直り、わらわ達を紹介してくれた。

豚踊りスタンプ
しらゆきとベアトリスだ。見ての通り外からの客人で、力を求めてペリオンに来たらしい。

拳スタンプ
ほぉ、外からのお客人か。
 拳を開いて立ては不敵に吊り上げた口の端を、今度は純粋な笑みの形にほころばせて、わらわ達を見て、それから名乗った。

拳スタンプ
ようこそ、ペリオンの街へ。私は拳を開いて立て。この街の長だ。ここは見ての通りの荒野の街で何もないが。よければゆっくりしていって欲しい。
 彼は言いながら頬杖を外し、歓迎するかのようにその両手を体の前で軽く開いた。
 それを見て、どこか呆けていたわらわは慌てて挨拶を返す。

魔王スタンプ(ヘネシス)
これはご丁寧にどうも。わらわはしらゆき。こっちはベアトリスよ。歓迎してもらえたようで何よりだわ。
 彼に圧倒されてわらわの後ろで硬直していたベアトが、わらわのこの挨拶を聞き、硬直を解いた。

もふもふベアト
あっ、えっと・・・。ベアトリスです。どうも・・・。
 わらわの良く出来た挨拶とは対照的な、しどろもどろの挨拶。けれどベアトにしてはよくやった方だわ。ただでさえ人見知りなベアトが、この圧倒的な存在感を放つ拳を開いて立ての前でよくこれだけ喋れたものね。

拳スタンプ
ははは、まだ若いのに良く出来たお嬢さんだ。

もふもふベアト
わっ、ベアト褒められた・・・。
 わらわの背後でボソっと小さく呟くベアト。
 褒められたのは、多分わらわの方だろうけれど。

拳スタンプ
して、拳とな?
 拳を開いて立ては、思い出したように言った。

豚踊りスタンプ
そうだ、拳だ。お前が拳で俺が豚踊り。しらゆきが付けてくれたニックネームだ。
 彼の言葉にわらわが答えるより先に、豚踊りが答えた。

豚踊りスタンプ
俺は気に入ったのだが、お前は気に入らなかったか?

拳スタンプ
・・・・・・。
 しばらく黙って、考えて、

拳スタンプ
うむ、気に入った。
 あっさりと答えた。本当かしら?

拳スタンプ
なら今日から私は拳だ。ただし、お前は呼ぶなよ。豚と一緒に踊りを。私を拳と呼んでいいのは、しらゆきとベアトリスだけだ。

豚踊りスタンプ
なんだ、つまらんな。
 少し不満がる豚踊り。しかし拳はそれを無視して、わらわに言った。

それでしらゆき達は力を求めてここに来たといったな?見た所しらゆきは初心者のようだが、戦士になりたいのか?


もふもふベアト
あれは絶対、ベアトが褒められたんですって!

魔王スタンプ(ヘネシス)
どこをどうやったらそう聞こえるのよ・・・。

しらゆきスタンプ(大)
ちなみに私は「ゆっきー」って呼ばれるのが好きです!

魔王スタンプ(ヘネシス)
聞いてないわよ・・・。
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しらゆき

Author:しらゆき
メイプルストーリー、いばらでのんびり遊んでます。

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