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ダークヒーロー★しらゆき(128)       魔王様エキサイティン!
 衆人環視の中、ただ黙って静かに向き合うわらわと拳。
 こうして武器を手に相対してみると、戦士の聖殿でも感じた拳の圧倒的な存在感を、否が応でも感じさせられるわ。
 拳はただ静かで、武器を手に、しかし構えもせず姿勢よく直立姿勢で立ち、心穏やかな表情をしているけれど、その静かさの中に力強い生命力と、圧倒的な存在感を感じて、わらわは思わず軽く震えてくる。
 静かさの中にある、それ自体もまた静かな、しかしだからこそ存在感を放つ、拳の秘めたる力。
 それを目の前にして、身体が軽く震えるわらわ。
 そう、わらわは震えているわ。
 高鳴る鼓動の、武者震いにね。

魔王スタンプ(ヘネシス)
本当に、わらわは武器を使っていいの?見た目より強いわよ。このモップ。
 言葉も無く互いに見合っていたわらわ達。先に口を開いたのはわらわだった。

「はは、構わんよ。それにそのモップの力強さはひしひしと感じているさ。

魔王スタンプ(ヘネシス)
それなら、貴方もちゃんとした武器を使ったら?怪我しても知らないわよ。

拳スタンプ
なぁに、構わんさ。要は当たらなければよいのだろう?どんな強力な一撃も、喰らわなければどうということはない。

魔王スタンプ(ヘネシス)
・・・へぇ。
 穏やかに言い放たれた拳のその台詞に、高鳴るわらわの鼓動はさらにドクンと、大きく一つ脈打った。

魔王スタンプ(ヘネシス)
なんだか舐められている気がするわ。

拳スタンプ
舐めてなどいないさ。私はそのモップだけじゃなく、君の内側にある強い力もひしひしと感じているよ。

魔王スタンプ(ヘネシス)
なのに、わらわの攻撃を一撃も喰らわないと?

拳スタンプ
あぁ、喰らわないだろうな。

魔王スタンプ(ヘネシス)
・・・・・・。
 へりくだることを知らない尊大な台詞を、しかしどうしたことかかくも謙虚な口調で言う拳。そんな拳に、わらわの武者震いはいよいよ頂点に達した。
 それを感じ取り、わらわ達を囲い楽しげにざわめいていた観客たちが、一斉に静かになる。

魔王スタンプ(ヘネシス)
面白いじゃない。
 小さくぼそりと呟いて、口の端の片方を不敵に吊り上げて、ニヤリ。

魔王スタンプ(ヘネシス)
・・・!
 わらわは勢いをつけて、拳へ向かって地を蹴り、離れていた距離を一気に詰めながら伝説の鉾を思い切り振りかぶる。

 ブンっ。

 と大きく、重たい鉾が空気を切る鈍い音がした。
 そんな音がすると言うことは、つまりわらわの一撃は拳に当たっていないということ。鉾を振り抜き姿勢を崩したわらわは、流し目のように視線だけを横斜め上に向けると、そこにはあの穏やかな表情をしたままの拳が、涼しげな様子で立っていた。わらわの攻撃はかわされたのだ。
 攻撃を躱した拳を、まるで盗み見るように見たわらわは、その一瞬で反撃は来ないと判断した。
 どういうつもりか、いえ、どういうつもりかはおおよそ察しが付くけれど、拳はこの絶好のタイミングでわらわに反撃を入れるつもりはないのだ。
 だからと言ってわらわはこの鉾を振り抜いた無様な格好のままで、この場に留まり続けるつもりはなかった。
 わらわは振りかぶり前のめりになった姿勢を支える前足を軸にして、くるりと身体を半回転させ、武器を構えなおして拳に向き直る。
 拳はなおも、涼しげな様子。
 そしてわらわは、そんな拳に臨戦態勢で臨む。
 見つめ合う、須臾の間。
 そんな間隙をすぐさま塗りつぶして、わらわは再び拳に攻撃を加えようと鉾を振りかぶる。
 今度は小さく振りかぶり、隙が生まれないように。重たいこの鉾でも、可能な限りの連続攻撃が出来るように。
 様々な角度からの突き、振り下ろし、振り下ろしからの切返しのごとき振り上げ。
 それらもまた全て躱され、今度は横ざまに大きく鉾を振り抜き、それも躱されればわらわはその勢いのままに足を大きく上げて回し蹴りをし、そしてそれもまた躱される。
 拳は最小限の小さな動きで、いともたやすくわらわの攻撃を全て躱してしまう。
 まるで子供扱いだわ。
 赤子の手でもひねるかのように、わらわは拳に翻弄される。
 だけどわらわの心には、不思議と・・・。

 やがて、拳は手にした木の棒で、わらわの一撃を防いだ。
 攻撃を躱し続けた拳の、初めての防御。
 わらわは防がれた攻撃を、鉾を、すぐに引こうとするけれど、拳はそれよりも早く、硬い木の棒をくるりと回し、まるで鞭のようにしなやかに扱い、わらわの鉾を自分の方へと絡め取ってしまった。
 力を込めて鉾を握っていたわらわは、瞬時の判断も間に合わず、いえ、瞬時の判断を許されず、そのまま鉾ごと、拳の方へと体制を崩しながら拳の方へと絡め取られる。
 そして体勢を崩したわらわに、拳は軽く、足払い。
 わらわは為す術も無く、岩の地面へと倒れてしまう。

もふもふベアト
魔王さま!
 ぐるりと回転する景色。唐突に視界いっぱいに広がった空。
 それらを見ながら、わらわの耳はベアトの声を捉えた。
 どこか悲しげで、悔しげな声。
 だけどね、ベアト。

魔王スタンプ(ヘネシス)
あぁ、負けちゃったわね。

拳スタンプ
・・・・・・。
 黙ってわらわを見下ろす拳。
 倒れたままふと視線を横に流してみれば、ベアトが駆け寄ってくるのが見えた。

魔王スタンプ(ヘネシス)
しかもまるで遊びだったわ。わらわは必死だったのに、貴方はまるで遊ぶかのように、これっぽっちも本気を出していなかった。

拳スタンプ
遊んでいたわけではないのだがな。だが、そう言われても仕方あるまい。
 拳は戦いが始まる前からずっと保っている穏やかな表情のまま、言った。

拳スタンプ
怒っているかな?そんな私に。

魔王スタンプ(ヘネシス)
いえ。
 拳の質問に、わらわは答える。
 空には相変わらず強い勢いで雲が流れて、駆け寄ってきたベアトがわらわへとそっと寄り添った。

魔王スタンプ(ヘネシス)
怒っていないわ。むしろ楽しかったし、清々しかった。これが大陸一の戦士の力なのね。
 わらわは初心者としての自分の力と、大陸一の戦士である拳の力の差を確認し、自らの今の力を思い知った。だけどそれは決して嫌なものではなく、わらわはかえって、道が開けたような気分だった。
 どれ程の差を埋めれば良いのかが、具体的に分かったのだから。

魔王スタンプ(ヘネシス)
ふふ、ごめんなさいね。拳。
 ベアトに心配そうに寄り添われながら、わらわは口の端を上げて言う。
 不敵さなんて欠片の無い、我ながら屈託のない純粋な笑顔で。

魔王スタンプ(ヘネシス)
わらわは確かに必死だったけれど、実はわらわも遊んでいたの。貴方に向かって本気でかかっていく時間はとても楽しいものだったわ。ありがとうね。
 やはり戦うのは、楽しい。
 わらわはそれを改めて実感し、そしてこの地に来た目的を思い出す。
 これから、初心者としてのわらわの新しい成長が、始まるのだ。


もふもふベアト
魔王さま魔王さま、ベアトの手を捻ってみてください。

魔王スタンプ(ヘネシス)
は?何言ってるの?・・・こう?

もふもふベアト
えへへ。楽しいですね!

魔王スタンプ(ヘネシス)
(よく分からない・・・。赤子の手をひねるってのが気に入ったのかしら・・・?)
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しらゆき

Author:しらゆき
メイプルストーリー、いばらでのんびり遊んでます。

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