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ダークヒーロー★しらゆき(130)       魔王様の新必殺技
 ゆっくりと、しかし確実にわらわを飲み込もうとするスタンプの洪水。
 スタンプたちの群れはわらわへと向かってのっそりとした動きで、しかし確実に一歩ずつ、わらわへと向かって進んでいた。
 一斉に向かってくるスタンプたち。それでいてその足並みはバラバラで、けれどそれがかえってこの光景を迫力あるものにしていた。
 あるスタンプは比較的速いスピードで、あるスタンプはとてもゆっくりとした歩みで。あるところにはスタンプたちがひしめくように固まって、あるところには穴でも開いているかのようにスタンプの「切れ間」があって。
 わらわの言葉に反応し、ばらけながらも一斉にわらわへと向かって歩き出したスタンプたちは、まさに洪水のようだったわ。
 もはや治めることなど出来ない洪水。次に何が起こるのか分からない洪水。
 統率のとれていないスタンプたちの歩みは決して進軍等と呼べるものではなく、洪水と呼ぶのが相応しいのだとわらわには思えた。
 その洪水の先端、一番近いところまで来ていた波が、ついにわらわの下へと達した。
 洪水といえどその波の先端までくれば、勢いはそう強い物でなく、またその水量もそう多いものではないけれど、引くことの無いであろうこの波の先端が到達したということは、皮切りということだ。
 その先端に居る何匹かのスタンプを皮切りに、続々とたくさんのスタンプたちが、わらわへ向かって押し寄せてくる。
 まずは一匹、一番前に居たスタンプがわらわへ襲い掛かってくる。
 スタンプの攻撃方法は至ってシンプル。体当たりだったわ。
 のそのそとした、ゆっくりとした動きで動くスタンプは、しかし攻撃のその瞬間だけいくらか機敏に、勢いをつけてわらわに向かって突進をした。
 その体当たりのスピードは、ヘネシスに居たあの弱っちいキノコにも劣るものだったけれど、しかしスタンプはそれ以上の質量と体の硬さを持っていて、それは確かにキノコのものよりも重い一撃だったわ。
 そう、重い一撃だった。
 わらわはその体当たりを避けることが出来たけれど、あえてそれをせず、鉾を地面に突き立て体当たりを防いだのだ。
 これは修業。
 わらわの力を鍛えるための、修業。
 動きの鈍いスタンプ相手にスピードの修業は出来ない。けれどそれなりの硬さを持つスタンプ相手になら力の修行は出来る。だからわらわは、このそれなりに重い一撃を、あえて避けずに受け止めてみたのだ。
 ほんの少しだけれど、その攻撃を受け止めた鉾を持つ手に、ジーンとしたしびれが走る。
 なかなかのものね。
 わらわはそんな風に感心する。感心するということは、それだけ余裕があるということ。スタンプの一撃は確かに比較的重いものだったけれど、当然それはわらわを怯ませるには全くと言っていいほどに足りないものだった。
 わらわに体当たりを防がれたスタンプは、その勢いを失い、地面にぽてっと落ちる。わらわはそこに狙いをつけて、地面に突き立てた鉾に力を込めてそのまま振り上げる。
 カンっ、と硬質のいい音がして、スタンプが弾き飛ばされる。
 弾き飛ばされたスタンプは後続のスタンプに当たって、それを受け止めたスタンプ共々ノックアウトした。わらわ、ナイスショット!
 しかしそんな風に喜んでいる暇はない。
 何せこれは洪水なのだ。スタンプの洪水なのだ。
 洪水よろしく物凄い数で押し寄せるスタンプたちを、わらわは次から次へと、バッタバッタと切り捨てる。
 硬い身体のスタンプにダメージを与えるにはそれなりの力が必要で、けれどそんな硬いものをただ力任せに叩けばわらわの腕にもダメージが入ってしまって、だからわらわは力を上手く調節して、それから叩き方にも工夫をして、攻撃をヒットさせ、その後はその衝撃を受け流すように力を抜いたり手首を返したりして、出来るだけ腕にダメージを蓄積させないように戦った。
 そんな風にバッタバッタとスタンプを切り捨てていくも、さすがに数の暴力でもって攻めてくる彼らにわらわの攻撃も後れを取り始め、わらわはじりじりと、ゆっくりと進軍するスタンプよりもさらにゆっくりとした遅さで、徐々に後退し始めた。
 そしてそれを見たスタンプの内何匹かは、そのスタンプ達の大波から外れて、まるで小隊のようにわらわの背後へ向けて更新をした。
 挟み撃ちをする気なのだ。
 わらわは横目にそれを見ながらも、しかし目の前のスタンプの相手で手いっぱいで何も出来ない。
 仕方がないわ。あれはこのまま放っておきましょう。
 何とも投げやりなその判断。しかしわらわには目算があったのだ。
 わらわを一気に窮地に追い込むであろう敵の挟み撃ちを逆手に取り、逆に一気に敵を片付ける、逆転のアイデアがわらわにはあった。
 そんなことを考えている間にもスタンプたちは次々押し寄せ、挟み撃ちのために背後から寄ってくるスタンプたちも増えていき、またわらわとの距離も詰めていった。
 ジリジリと追い立てられるわらわ。押し寄せる前方のスタンプに、背後から忍び寄るスタンプの小隊。
 やがて、わらわを囲むスタンプの輪が出来た。
 スタンプはわらわを中心に輪を作り、全方向から徐々にわらわににじり寄ってくる。
 前方に居るスタンプたちは、その徐々に円周を狭めていくスタンプたちの邪魔をわらわにさせように、相も変わらずの勢いで押し寄せる。
 そうこうしているうちに、スタンプの輪はとても小さな円となって、わらわを取り囲んだ。
 こうなってはもうどうにもできないだろうと、前方のスタンプたちもその攻撃を止めた。
 止めて、そしてスタンプたちは一斉に、地面に踏ん張るように力を込めた。
 わらわへ向けて一斉に体当たりをするつもりなのだ。
 これだけの数のスタンプたちが一斉に殺到すれば、さすがのわらわも耐えられないだろう。
 けれど、ふふ。わらわには勝算があった。

 バっ。

 と、スタンプたちはまさに一斉にわらわへ向けて飛び掛かってきた。
 わらわは俯き、目ではなく肌でそれを感じる。
 わらわの紅い紅い唇が、ニヤリと不敵に吊り上がり、笑みの形に歪んだ。
 ジリっ、とわらわは鉾を横に構えて、体勢を低く力を込めて・・・
「しぇあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 鉾に全霊の力を込め、薙ぎ払うようにそれを振りはらいながら、まるで力強い踊りか何かのようにわらわはその場で回転した。
 鉾を手に竜巻のように回るわらわ。
 何回転も、回るわらわ。
 そしてその竜巻に飲まれ、次々と弾き飛ばされていく数多のスタンプたち。
 
 回転斬り

 この技はそう名付けましょう。
 魔王の新たな必殺技が、ここに生まれた。


モフモフベアト(ムキィ!)
回転斬りとか、パクリにも程がありますよ!

魔王スタンプ(ヘネシス)
仕方ないじゃない。好きなんだもの。
*回転斬とは、ゲーム・ゼルダの伝説の主人公の必殺技で、私の大好きな技です。
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しらゆき

Author:しらゆき
メイプルストーリー、いばらでのんびり遊んでます。

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